高市政権が進める「日本版DOGE」に漂う「やってる感」…担当者みんな掛けもちで、税のムダを点検できるの？

日本維新の会の連立合意書に記された「政府効率化局（仮）」の設置。25日、内閣官房に正式な組織が発足した。米トランプ政権の「政府効率化省」（DOGE、ドージ）の日本版とされるが、「本家」は解体されたと報じられたばかり。新組織は「省」でも「局」でもなく「担当室」にすぎず、人員も併任の30人程度だ。税の無駄遣いの点検に役立つのか。（太田理英子、中根政人）
◆正式名称は「租税特別措置・補助金見直し担当室」に
「何とか1カ月ちょっとで立ち上げまで来られた」
25日の会見でそう語ったのは片山さつき財務相。日本版DOGEの正式名称を「租税特別措置・補助金見直し担当室」と明かした。
租特は、特定の税を軽減・還付する制度のこと。効果の検証が不十分という指摘もあり、自民党の総裁選で高市早苗首相が見直しを掲げてきた。かたや維新も、連立合意前に租特や補助金の見直し、「政府効率化局（仮称）」の設置を自民に要望。いずれも連立合意書に反映された。
◆アメリカでは「マスク氏が抜けて機能しなくなった」
政府効率化といえば、1月に始動した米トランプ政権でも目玉政策として政府効率化省、いわゆるDOGEが発足。事実上のトップに実業家イーロン・マスク氏が就いた。ところが今月23日、ロイター通信はDOGE解体を報道した。
その背景を巡り、上智大の前嶋和弘教授（米国政治外交）は、大型減税や債務上限引き上げを盛り込んだトランプ氏肝いりの法案を巡る対立があったとみる。
マスク氏は5月に政権を離れている。「予算を削って財政赤字の縮小を狙ったが、法案は収入減と同時に債務増を招くと反発した。マスク氏が抜けて、DOGEは機能しなくなった」
◆「本家」解体報道の直後に発足という間の悪さ
維…(以下有料版で，残り 2386/文字)

東京新聞　2025年11月28日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/452235
自民党と