【英国】結核のアルパカ安楽死　アルパカ・ライブズ・マター

※2021年09月01日12時09分

　【ロンドン時事】英南部の農場で伝染病の牛結核に陽性反応を示し、隔離飼育されていたアルパカが３１日、安楽死により処分された。助命を求めるジョンソン首相宛ての嘆願書に１４万人以上の署名が寄せられたが、農政当局は「誰も処分を望まないが、たちの悪い疫病の拡大を最小限にする必要があった」と、法に基づいた処置であることを強調した。

　安楽死したのは８歳の黒毛の雄「ジェロニモ」。南グロスターシャーの農場主ヘレン・マクドナルドさんが２０１７年にニュージーランドから輸入した。その年に２度検査を受け、いずれも陽性だった。マクドナルドさんは検査に欠陥があったとして、再検査を受けさせるか、研究目的で生かすよう訴えていた。裁判所は８月、訴えを認めない最終判断を下していた。
　牛結核は牛の感染例が多いが、ヤギなどの哺乳類や、まれに人に感染する。英国では今年３月までの１年間に陽性の牛約２万８０００頭が処分され、アルパカなどラクダ科の動物も２０年に約２００頭が安楽死させられた。
　マクドナルドさんが４年近く法廷で争ったこともあってジェロニモの生死はメディアで大きく取り上げられるようになった。農場では支持者が反黒人差別運動のスローガンに重ね合わせ、「アルパカ・ライブズ・マター（アルパカの命も大切だ）」と書いたプラカードを掲げるなどして抗議を続けていた。

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時事通信ニュース: 結核のアルパカ安楽死 助命訴え聞き入れず―英当局.
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021090100174&;g=int