先日、知人と沖縄に行った際、那覇市で有名なマーケット街である『第一牧志公設市場』に立ち寄った。その時、物産店のおばちゃんに「沖縄らしい物見せてください」と言って出してもらったのがこの”じゅーしぃー”だった。
筆者は、沖縄の食べ物で思いつくものと言ったら、サーターアンダギー, ミミガー, 沖縄そば, ラフテー, ゴーヤチャンプルー, ちんすこうくらいしか知らない。
そのため、”じゅーしぃー”は初耳で少し心が躍りつつ帰路についたわけで、自宅に帰り数日後、実食してみたのでレビューしていこうと思う。
ジューシーとは
そもそも、”じゅーしぃー”が何なのか知らないので、開封前に調べてみた。
「じゅーしぃー」とは、沖縄の郷土料理である炊き込みご飯の一種で、沖縄では一般的に「炊き込みご飯」のことを「じゅーしぃー(ジューシー)」と呼び、主な材料は豚肉, 人参, ひじき, しいたけなどで、昆布や豚出汁で炊き上げた旨味豊かな炊き込みご飯のことを指すそうだ。
”じゅーしぃー”のルーツは琉球王国時代(15~19世紀頃)にまでさかのぼり、当時の沖縄は中国や東南アジアとの交易が盛んであり、米と豚肉を中心とした食文化が発達しました。特に沖縄では豚は「鳴き声以外は全部食べる」と言われるほど余すところなく利用され、その豚肉を活用した料理がじゅーしぃーの原型となったと考えられている。
もともと「じゅーしぃー」は、「雑炊(ぞうすい)」を沖縄風に訛った「じゅーしー」「ぞうすい → じゅーしぃー」などと呼ばれ、江戸時代から明治期にかけて徐々に沖縄全土に広まったとされている。
沖縄の旧盆(ウンケー)では、ご先祖様を迎えるためのお供え料理としてじゅーしぃーを炊く風習があり、家庭の味としても深く根付いているらしい。
”じゅーしぃー”には主に2種類あり、
【クファジューシー(炊き込み)】
お祝いの席や行事の際に振る舞われることが多い。
【ボロボロジューシー】
雑炊状のもので、体調が悪いときや消化を助けるために作られる家庭料理という側面がある。
「ジューシー(Juicy)」という英単語を想像するが、これは完全な偶然。実際は沖縄の方言で『雑炊(じょうしぃー)』が訛ったものらしい。「じゅーしぃー」という表記は最近の観光PRや商品化の際に親しまれやすくするため広まった表記であり、本来の沖縄方言の発音に近いのは「じゅーしー」または「じゅーしい」。
という具合に、意外と知られていない郷土料理であったことが判明した。
調理開始
ブランドロゴを見ると、聞いたことの無いメーカ名で Hormelと書かれており、調べてみたらまさかのアメリカ企業だったので驚いた。何かと関係性のあるお国なのでそこには触れないでおこう。
具材は、肉(畜肉と記載), 人参, ごぼう, しいたけ, ひじき, 昆布でシンプルな構成なっている。
珍しい点として、よくある炊き込みご飯の素は通常1~2合用に開発されるのが多いのだが、この商品は3合炊き用で、一人暮らしの人にとっては作り置きでストック可能なありがたい商品となっている。
出汁利いてて旨い店と
味しないか塩辛いだけのクソマズい所があるよなw
ガイドブックなどに乗ってる観光客向けの店よりタクシーの運ちゃんに聞いた地元の店が外れなし
料理してくれる店がある
そこにすかさず主役の”じゅーしぃー”を投入。しかし、油脂が凝固しており、中身がなかなか出てこない。
さすがに勿体ないのと、こういう状態は正常な味付けの状態で完成しないので、炊飯器に入っている水をスプーンですくいあげ、それをパックに入れてシェイクして、もう少し綺麗に出してみる。パックを折り曲げて絞ると効率が良い。洗い物が増えると思われるが、この後炊飯前に混ぜるのでスプーンは有効に使用できる。
その後は、炊飯器にセットし炊飯をスタートするだけ。我が家は「炊込み」用の設定がある炊飯器なので、炊込みモードで炊飯開始。ここで、豆知識と留意したほうが良い点がある!
人生のむなしさ感じつつ待っていると、遠くから機械的な呼び声があり炊飯器をオープン。室内に甘みを感じる心地よい香りが広がった。
まず第一印象は「具沢山!」
調味液を入れていた状態でも感じてはいたが、ボリューム満点である。心なしかお肉も輝いて見える。炊飯器にも寄るのだろうが、おこげも程よく底についていていて美味しそうだ。
一口頬張ると、もちっとした米粒が口の中で心地よく弾ける。その直後に豚肉(おそらく)から染み出る甘辛い醤油の旨味と脂のコクが絶妙に絡まり合い、次々と箸が進んでしまう。人参やごぼうはほどよく柔らかく、素材の甘みもしっかり感じられる。沖縄料理特有の味付けらしさはとくに感じない。
沖縄料理というと好き嫌いが分かれそうなイメージもあったが、文句なく万人受けする逸品だと感じた。食卓に並べば、間違いなく主役になれる存在感を持つ一皿ではないだろうか。
肉は噛みしめるごとに旨味と香ばしい出汁の風味が口いっぱいに広がる。具材ひとつひとつがそれぞれの役割をしっかりと果たしている。”じゅーしぃー”の真骨頂とも言えるのが、このバランスなのだろうか。派手さはないが、具材と米が完全に調和し、素朴でいて深い旨味を引き出している。
食べ進めるうちに、おこげ部分にも遭遇。パリッとした歯ごたえと香ばしい焦げの風味がアクセントとなり、さらに箸を進めてしまう。これこそが沖縄らしい家庭の味なのだろう。”じゅーしぃー”の持つ素朴さと深みを存分に楽しむことができた。今度沖縄に行くことがあれば是非お店でも味わってみたい。
ボリューム満点の沖縄炊き込みご飯、気になった方は試してみてはいかがだろうか。
ジューシィー
じゃっぷぅ
あと一つは?
安倍川もち
店で食べられるんだろうか












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