南海トラフ地震、一発で死体が30万体生まれるため絶対に火葬しきれないと判明。 ゾンビ大量発生へ

南海トラフ想定死者29万8千人で遺体の扱いは？　足りない検案医、火葬場…計画実効性は

南海トラフ地震の被害想定で示された最大死者数計約29万8千人について、政府は10日、今後10年間で8割減を目指す方針を自民党側へ示した。最大被害が生じれば令和5年1年間の死者数157万人の約5分の1に相当する膨大な数だが、遺体の扱いについて対策は進んでいるのか。

死者数約1万6千人だった平成23年の東日本大震災以降、全都道府県に広域火葬計画が策定されたが、実効性が確保できているとは言い難い実態も見えてきた。
和歌山県内で昨年11月、災害時の検視・検案について関係機関を集めた研修会が開かれた。焦点となったのは警察の委託で遺体の死因特定などを行う「検案医」。ある検案医の提起がきっかけだった。

「ちゃんと態勢が取れているか不安だ。このままでは対応できない」
南海トラフ地震で和歌山県内の死者数は最大約6万5千人と想定されるが、検案医は25人（昨年8月時点）しかいない。

災害時には警察が検視・検案を行う遺体収容所が開設され、死因特定や身元確認を経て遺族に引き渡される。警察職員や検案医が不足すれば手続きは停滞する。東日本大震災で仙台市の遺体安置所には「検案待ち」の遺体が並び、発生1週間後のピーク時には約1300体に上ったという。
和歌山県は今年度内にも医師会など関係機関と災害時の検案医確保に向けた会議体を立ち上げるという。担当者は「県外からの支援が必須だが、県内の連携でさえ、これからだ」と話した。

引き渡された遺体は通常、火葬される。最大死者数約4万6千人の高知県は、政府の想定とは別に被害軽減を図る行動計画により死者数を約7800人と想定する。県内の火葬場は官民計14業者で火葬炉は計45基。1基当たり1日5回の火葬を行うと約1カ月かかる試算になる。

高知県の広域火葬計画では単独で処理しきれない場合に備え、四国3県の67業者226基のほか、中国地方5県122業者408基の使用も想定している。ただ、四国では連携訓練が行われているが、中国地方との訓練は実現していない。

東日本大震災では火葬場が足りず、宮城県は約2100体を一時的に仮埋葬した。高知県の各市町村は仮埋葬場として約9万2千平方メートルを確保するが、県は消極的だ。担当者は「掘り起こして火葬し直す負担が大きい。他の自治体に助けてもらうとしても協力を求めにくい。国に調整してもらいたいところだ」と本音も漏らした。（市岡豊大）

https://www.sankei.com/article/20250611-XVHETELTJBLUBCC4JNOTXCCQDU/

横田勇・静岡県立大名誉教授（環境政策）

南海トラフ地震や首都直下地震などの大規模災害では数千人の死者であっても火葬能力が不足する。四国でも東京でも、すぐに限界を迎え、広域的な応援体制がなければどうにもならない。1人の火葬に通常1時間はかかる。準備と収骨も含めると、1つの炉で1日5回でパンクしてしまうだろう。
多くの火葬場は街外れにあるのが普通なので被災直後は道路も復旧せず、車両も足りない。
火葬が間に合わない場合は仮埋葬することになるが、問題は場所と人手だ。死者を忌避する日本人の感情は昔ほど強くなくなったが、周辺住民の承諾を事前に得られているケースはあまり多くはないだろう。災害ごみの仮置き場も同様の問題を抱えるが、遺体の場合は廃棄物より難しい。
火葬や土葬の扱いは墓地埋葬法で基本的に地方自治体の事務とされ、国の財政支援は望めない。防災計画上の災害対応としての支援はあるが、優先されるのは生存者で、死者とその遺族に対する配慮はあまり期待できない。しかし、考えておかないと必ず直面する問題でもある。（談）

なにあまえてんの？トンキン

兵庫県南部地震の死体安置所の経験だが、むかしよりコンクリばっかで燃えない
倒壊のほうがひどい