【北海道】国内外からの移住増えたニセコ、開拓１２５年「共助の心」回帰…発展の礎築いた高円宮妃久子殿下の高祖父に脚光

ニセコ町曽我地区の魅力を語られる高円宮妃久子さま（４月２１日、東京・元赤坂の高円宮邸で）＝田中秀敏撮影

　国際スキーリゾートとして知られる北海道ニセコ町の開拓が本格化して今年で１２５年となる。発展の礎を築いたのは、明治の元勲で、高円宮妃久子さまの高祖父（祖母の祖父）にあたる曽我祐準（すけのり）（１８４４～１９３５年）。国内外から新たな住民が流入する中、地域の歴史を見つめ直し、支え合おうという機運が高まっている。（小樽支局　片岡正人）

　祐準は柳川藩（福岡県）出身の子爵で、陸軍軍人、宮中顧問官、日本鉄道会社社長などを歴任した。ニセコ町に開拓のための曽我農場を開設したのは１９００年（明治３３年）５月３１日。国から約１２００ヘクタールに及ぶ未開地の払い下げを受け、全国から小作人を集めて開墾した。

　ニセコでは主に本州の資本家が約２０の農場を開設したが、最も面積が広く、町中心部周辺のインフラ整備を担ったのが曽我農場だった。祐準は、子どもの教育に力を入れ、進歩的な農場経営を行った。農場主を引き継いだ長男祐邦（すけくに）は３７年（昭和１２年）、小作人の要望を受けて農地を有償で解放した。小作人の信望を集めた曽我の名は地名として今も残る。

　曽我地区はその後、農業地帯とリゾート地として発展。住民の団結力も強く、地域ぐるみの祭りや運動会が行われてきたが、農場時代を知る世代が減り、近年はコロナ禍もあって地域のつながりが希薄になりつつあった。

　そんな中、祐準の玄孫（やしゃご）である高円宮妃久子さまが２０２２年と２４年、曽我地区を訪問し、住民らと親しく交流された。地元では、開拓の労苦と今の繁栄を顕彰した記念碑を建てて歓迎した。元町議の高橋守さん（７３）は「地域の歴史と自分たちのルーツを見直す機会となった」と語る。

　２４年の訪問には、曽我家と交友のある元キャンディーズのメンバー伊藤蘭さんも同行。「曽我地区の方々は心の温かい人ばかりで、土地の豊かさを肌で感じた」と振り返る。

　ニセコ町は、国際リゾート化に伴って外国人の移住者が増える反面、ゴミ出しや交通マナーを巡るトラブルも起きている。町が共生の柱に据えるのは、各地から入植者が集まった開拓時代の支え合いの精神だ。

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■地元の歴史　記録は大切

　高円宮妃久子さまに曽我地区の発展と高祖父への思いを聞いた。

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　――発展の礎を築いたのが曽我祐準だった。

　「高祖父は陸軍軍人、大正天皇のご養育係、枢密顧問官などを務めましたが、根底にあったのは国家に奉公する強い気持ちでした。北海道の開拓も国や地域の発展のためだった。今のニセコの発展を知ったら喜ぶと思います」（以下ソース）

6/1(日) 14:37配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/3707472a556747d4697bec3665609a1fc4c04f5f