米ファンド「アメリカはリセッションとスタグフレーションに陥る」

米経済、リセッションとスタグフレーションの確率高まる－ゼルター氏

Jack Sidders、Laura Benitez
2025年4月4日 0:03 JST
米経済がリセッションに陥る確率は50％以上に上昇－ゼルター氏
スタグフレーションシナリオ、世界の政策当局の懸念要素に
米アポロ・グローバル・マネジメントのジム・ゼルター社長は、トランプ政権が２日発表した関税計画により、米国は成長減速と物価上昇の間で身動きが取れなくなる恐れがあると述べた。

　　ゼルター氏は３日、ニューヨークでブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、米経済がリセッション（景気後退）に陥る確率は50％以上に上昇したと指摘。関税がインフレを加速させ、利下げにより成長を刺激する米金融当局の能力を抑制するリスクも大きく高まったと述べた。

　　ゼルター氏は「半年前の自分であれば、2025年か26年にリセッションに陥る確率は５分の１と予想していただろう。だが今では、少なくとも２分の１になったのは間違いない」と語った。

トランプ大統領が発表した関税計画は世界中で株価の急落を招いた。成長が鈍化すれば利下げが加速するとの見方も広がっており、米国債利回りも低下している。ただ、米金融当局はインフレ率の上昇にも注意を払うだろうと、ゼルター氏は述べた。

　　同氏は「もう１つのシナリオはスタグフレーションのシナリオで、確率はこれまでの６分の１ないし７分の１から、５分の１または４分の１となった。これは米国のみならず世界中の政策当局者にとって懸念要素になるはずだ」とし、「現時点で米金融当局の２大責務のバランスを考えると、困難さは確実に増している。当局は今後これまで以上に辛抱強く対応していく必要があろう」と語った。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-04-03/SU5AKIDWRGG000