【旭川地裁】８９歳の祖母の遺体を自宅に約半年放置、３３歳”ニート”男に懲役１年執行猶予３年の有罪判決…生前は一人で祖母の世話

同居する祖母の遺体を自宅に放置したとして、死体遺棄の罪に問われている男の裁判が12月13日開かれ、旭川地裁は男に懲役1年・執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。

　起訴状などによりますと、旭川市の無職、森裕志被告（33）は2023年4月下旬ごろから10月11日までの間、同居する祖母（当時89）が死亡しているにも関わらず、自宅に放置した死体遺棄の罪に問われています。

　裁判の冒頭、旭川地裁の山田義幸裁判長から起訴内容について間違いがないか問われた森被告は「ありません」と答え、起訴内容を認めました。

　被告人質問で森被告は、家族と離れ祖母と共に暮らしていた家族関係について問われると「常に疎遠だった。罵倒などはなかったが、ただ単に何もない」と述べました。

　祖母の年金などで暮らしていたという森被告。金がなく祖母を病院へ連れていくことができず衰弱していく中、家族に相談できなかったのかと指摘されると、「大学を中退し、ニートになったこともあり、父親にお金を頼ることができなかった」と答えました。

　また、働いて収入を得ようとしなかったのかと問われると、「何年もニートをするうちに面接などが怖くなった。ニートの理由や大学中退の理由を聞かれるのが怖かった」と返答しました。

　一方で、今回の事件は自分が働いていなかったことが原因だとした上で、今後はハローワークなどで仕事を探し、コンビニやスーパーで働きたいと話しました。

　実家を離れ、旭川市で祖母と2人で暮らし、食事や排せつの世話などをしていたことについて、弁護側から「嫌ではなかったか」と問われると「嫌ではない。介護という役割を持てて、無職で働いていない嫌な部分を少し抑えられている感じがする」と話しました。

　森被告は遺体を放置したことについて「死体遺棄の認識が違っていた。死体遺棄は死体をどこかに移動させて隠す罪だと思っていた。死体の存在が明らかになるのが怖かった。自身が殺したのではないのかと疑われるかと不安だった」などと述べました。

　続く検察側からの被告人質問で、人と接しない期間が長いと社会復帰も大変ではないかと問われた森被告。

　「人と話すのは恐怖ではない。勇気を出せばできると思う」「欲しいものを見つけて何とかしたい」と働く事への意欲も見せました。

　裁判官から祖母への思いを問われ「申し訳ない気持ちでいっぱい」と答えた森被告。

　最後に何かあるか問われると「働きたいです」とはっきり述べました。

　裁判で検察側は犯行の悪質さから懲役1年を求刑。

　一方、弁護側は森被告に違法性の認識が欠如していた点や再犯の恐れがないことなどから執行猶予付きの判決を求めました。

　裁判は即日で判決が下され、旭川地裁の山田義幸裁判官は森被告に対し、懲役1年・執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。

　判決で山田裁判官は「祖母を殺したと思われるかもしれないと、半年間も遺体を放置したのは悪質」とした一方、「祖母の世話をひとりでしてきたことや、職を探していこうと前向きかつ反省の弁を述べている」とし、執行猶予付きの判決にした理由を述べました。

　裁判で山田裁判官は森被告に対し「今後、面接などで落とされることもあると思うが、諦めずチャレンジしてほしい」「祖母のお墓に手を合わせにいき、申し訳ないという気持ちを示すことを約束してほしい」と伝えました。

12/13(水) 21:51配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/a08d727afb00b700ab51483d6eed8113f5d0c23b

　北海道旭川市で、祖母の遺体を自宅に遺棄した罪に問われた男に、旭川地裁は、執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。

　旭川市の無職、森裕志被告33歳は、今年４月下旬から10月まで、死亡した祖母の今村艶子さん当時89歳の遺体を、自宅の居間に放置した死体遺棄の罪に問われました。

　13日の裁判で、「間違いありません」と起訴内容を認めた森被告。
　検察は「身勝手な犯行だが、生前は祖母の世話もしていた」として、懲役１年を求刑。
　一方、弁護側は「反省しており、社会復帰の意思も示している」と情状酌量を求めました。

　旭川地裁は、「犯行に酌量の余地はないが、生前には１人で世話をしていて、社会復帰にも前向きである」などとして、即決裁判で、森被告に懲役１年、執行猶予３年の有罪判決を言い渡しました。

12/13(水) 17:29配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/84c7ee4a1944517bf3743dfc44374298925fc2c8