日本人は魔改造がお得意

新しい流行を積極的に取り入れる、これこそが日本古来の伝統なのです。

その昔、仏教が伝来して以来、この国では江戸時代まで牛肉を食べませんでした。しかし文明開化の明治維新、牛鍋が登場すると一気にビーフ・ブレーク。庶民たちもすき焼きを食べ始めます。いまやすき焼きはお正月などの家族団らんには欠かせない食べ物になっています。

あまりに流行の取り入れが早すぎて、名前の変化がついていかない例もたくさんあります。下駄がシューズになったのに、学校には「下駄箱」という名称が残りました。子供たちの「筆箱」に筆は入っておらず鉛筆だけ。そうそう、音楽を聴くときに「巻き戻し」という言葉を使うのもそろそろ止めないといけませんね、テープが存在しないのだから。あとは「青写真を描く」というのもまずい。若い人は青写真など見たことがないでしょうから。

牛肉に話を戻すと、明治からすき焼きを食べはじめた日本人は、太平洋戦争後に入ってきたアメリカ流ステーキにも夢中になりました。そして１９７０年代、「こんなものが売れるのか？」と一部で囁かれながら登場したマクドナルド・ハンバーガーは日本人の食事スタイルを変えるほど普及しました。

こうやって考えると、日本人は「新しいものを取り入れる」ことについて本当に柔軟です。しかも新しいモノをそのまま取り入れるだけでなく、すぐさま自分たち流にアレンジしてしまうのです。牛肉を食べるときのすき焼きが典型です。ちなみに私もステーキに醤油をかけて食べるのが大好きです。

新しいモノを積極的に取り入れ、そして自分たち流にアレンジする。こうした「日本古来の伝統」で新しい年に向かおうではありませんか。そうすればＡＩが登場しようが、ＤＸだろうが、怖いものなど何もありません。

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