米紙「『ドライブ・マイ・カー』は日本の映画業界に反抗したから海外で成功した」

米紙「『ドライブ・マイ・カー』は日本の映画業界に反抗したから海外で成功した」
https://courrier.jp/news/archives/283487/

濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』がアカデミー賞国際長編映画賞に輝いたのを受け、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が快挙の要因と日本映画界の課題を報じている。

『ドライブ・マイ・カー』は日本で8月に公開されたが、国内で爆発的にヒットした作品というわけではない。興行収入もそれほど高くなく、アカデミー賞にノミネートされてからようやく日本でも注目が集まったといえる。

では、なぜ海外で高く評価され、オスカーを受賞するまでに至ったのか？

ニューヨーク・タイムズは、主人公はさまざまな言語を話す多国籍の俳優が出演する舞台の演出家であり、映画の内容そのものが国際的であったと指摘。そのうえで、「国際色豊かな日本を表現し、社会的に孤立して生きる登場人物らを描いた本作は、欧米がいまの日本社会に対して抱く印象と呼応したのかもしれない」と書く。

英シェフィールド大学で日本研究を専門とするジェニファー・コーツも、今回の受賞は世界の日本観を反映していると同紙に語る。メディアが日本社会に蔓延する孤独感や「ひきこもり」現象に注目するなか、「静かなトラウマ」を描いた映画が海外の批評家や観客の心を捉えるのだという。

日本映画の質が悪い理由

一方、イェール大学の教授で東アジア文学と映画が専門のアーロン・ジェローは、「日本の映画産業が本作のオスカー受賞の恩恵を受けることはない」と同紙にコメント。「なぜなら、この映画はある意味、日本の映画業界に抗う作品だからです」

ジェローが言わんとしているのは、濱口が日本の映画制作の慣習にとらわれないやり方で本作を世に送りだしたことだ。

「日本の映画は通常、プロデューサー、広告代理店、テレビ局、時にはコスメ企業までが出資して作られるが、このシステムは往々にして監督の芸術的独立性を奪ってしまう。濱口はその道を選ばず、マーケティング力のない小さなプロダクションに独立した資金を求めた」と同紙は書く。

また、南カリフォルニア大学の助教で東アジアの言語と文化が専門のケリム・ヤサールは、日本の映画やテレビ番組の多くは演技力のない「アイドル」を起用することで質が損なわれていると指摘する。

SNSのインフルエンサーってすごい的確な表現
世界が日本のアイドル概念に最近になってようやく追いついたんだな

バレてるんやね…

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