【歴史】江戸時代の武家のボーナスは７０～８０万円？　古文書大量発見で　愛知

■江戸時代の武家のボーナス支給明細も 古文書2300点余発見 愛知

古文書が見つかったのは徳川家康の重臣、渡邉守綱の菩提寺で、豊田市にある守綱寺です。

本堂にある狩野派の絵師が描いたとされる「松に禽鳥図」という８枚のふすま絵の修復作業を行っていたところ、下張りから2300点余りにのぼる古文書が見つかりました。

これらの古文書を近世の歴史を研究している愛知県立大学の大塚英二教授らが調べたところ、最も古いものは江戸時代初期の1636年のもので、
売り掛けの帳簿や証文など使い終わった紙を、ふすまの下張りとして再利用していたとみられるということです。

中には「仕着代・鼻紙代」として、12月に今でいう“ボーナス”を支給した明細のような文書もあり、
台所方の家来にひとり当たり３両余り、今の価値にすると7、80万円ほどが支給されていたことがうかがえます。

大塚英二教授によりますと、江戸時代の武家の人たちがどんな暮らしをしていたかが見えて来ると言います。
“ボーナス”の中身を詳しく見ていくと…
寛文12年＝1672年の文書には「仕着代・鼻紙代」の文字があります。

今でいう、ボーナスを12月に台所方で働く下級武士７人に支給したことを、担当者が会計責任者に報告した明細です。

今と同じように査定で差がついていますが、いちばんもらった人は金が３両２分と銀が10もんめで、今の価値に換算しますと70万円から80万円が支給されたと書かれています。
大根を大量購入の記録も
また大根を大量に購入した記録もありました。

今の愛知県清須市の農民の作右衛門さんから収穫時期の11月に大根135本を１貫500文、今の金額でおよそ８万円で購入していました。

漬物を大量に作るために購入したとみられ、武家の暮らしぶりをうかがうことができる資料です。
米を江戸に輸送した運送費の明細も
また尾張と三河にあった領地でとれた米を江戸に送った時の運送費の明細も見つかりました。

米40石、およそ６トンを船で江戸に送る際、重量に応じて支払うレートが書かれていて、知多半島の船頭に船便の運送費として、およそ60万円を支払ったとされています。

武家はとれた米を江戸や大坂に運んで現金に換えていましたが、江戸時代の前期にこうした米の輸送でいくらかかったか具体的に書かれた資料は初めてではないかということです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191223/k10012225411000.html