【投資家】＜五輪批判しつつ協賛する新聞社の矛盾＞五輪を批判するのならば、メディアとして五輪から降りるのも筋の通し方だと思う

一昨日開幕した東京オリンピックが、令和日本の欺瞞（ぎまん）をすべて凝縮したようなイベントになっていると思うんですよ。

産経新聞でも「小山田圭吾さんが五輪開会式の楽曲制作辞任へ」（「産経ニュース」１９日）と報じていましたけれども、開会式の楽曲を担当する予定であった小山田さんが、２０年以上前の雑誌インタビューで自身のいじめ行為を誇るような内容があったと騒ぎになり、海外メディアでも盛大に報じられて開会４日前に辞任に追い込まれるとか、これは正直いったい何のための五輪なのか悩むところなんですよ。

各新聞社も一連の五輪のスキャンダルは盛大に報じる一方、うっかり五輪についてスポンサードしていたり、なんだかんだ盛り上がってスポーツ選手の活躍を報じる祝賀ムードは崩したくないという。

五輪を批判するのならば、メディアとして五輪から降りるのも筋の通し方だと思うのですが、経営と編集とは分離しているからそれとこれとは話が別、とでもいいたいのでしょうか。メディアに喝（かつ）というよりは、正直嘆かわしい気分でいっぱいです。

さらには、感染症対策は相応に重ねてきているとはいえ、国内ではプロスポーツは観客を入れてやり、それどころか高校野球までもがファンが集まって観戦しているにもかかわらず、五輪に関しては無観客での実施となりました。

一部では、児童らが五輪を観戦するのにスポンサーであるコカ・コーラ社以外の飲料を持ち込む場合はラベルを剝がせというお達しまで出たことが明らかになりました。

どういう形であれ、五輪開催を悲願としてきた菅義偉（すが・よしひで）政権としては、開催にこぎ着けることができただけでまずは良し、ということかもしれません。ただ、それで浮き彫りになったのは商業主義とご都合主義とが交ざった五輪の悲しい実態と、本来ならきちんと感染症対策とワクチン接種を行うべき政治が、９月以降の衆院解散総選挙をにらんで欺瞞に満ちている状況です。

https://www.sankei.com/article/20210725-IOLLV4XPY5NFFHZQXYO2DTMACU/?outputType=theme_tokyo2020