東京都 「引きこもりくん頼む…そのＩＴスキル🖥を活かして働いてくれえぇぇえええ！！！」

ひきこもり経験者ならではの雇用　積極企業を都が後押し
以下抜粋

ゲームに欠陥があるかどうかを調べるデジタルハーツ社の社員ら。コロナ禍の前に撮影された＝同社提供

障碍者やひきこもりの経験者ら「就労困難者」を積極的に雇う企業「ソーシャルファーム」の育成に、東京都が力を入れている。

小5から自室に　ゲームづくしの毎日
東京・西新宿の超高層ビル41階にあるIT企業「デジタルハーツ」のオフィス。
モニターに向き合う社員たちが、サイバーセキュリティーや、発売前のソフトウェアの点検にあたる。「就労困難者」と呼ばれた人も複数人いる。
20代の男性社員もその一人だ。小5で自室にひきこもるようになり、
中学、高校とも通ったのはそれぞれ半年ほど。高卒認定の資格を得て、受かった大学も1年半しか続かなかった。

縁遠かった就職に興味をもったきっかけは、アルバイトの求人サイトだった。
発売前のゲームやパチンコ台を操作して、欠陥を見つける「テスター」の募集だった。
「ゲームの腕前なら自信がある」と応募し、3年ほどアルバイトや契約社員として働き、正社員に採用された。
国際的な情報セキュリティーの認証資格「CISSP」も取得。現在はサイバーセキュリティーの業務を担う。

「ひきこもりの経験があると、多くの企業は履歴書でバツをつけるかもしれない。自身の強みを生かして働ける環境があることはありがたい」。男性はそう振り返る。

デジタルハーツプラス社の社長で、経済産業省出身の畑田康二郎さん（42）は「全社員が貴重な戦力」と言う。「ゲーム好き」の強みとして、ゲームやソフトウェアの欠陥を見つける仕事に必要な集中力を持ち合わせているという。
例えば、ADHD（注意欠陥・多動性障害）を抱える社員はあらゆるものに興味を示す傾向があり、様々な角度から操作して、不具合が起きないかテストする仕事に向いている。
ASD（自閉症スペクトラム障害）の社員は黙々と仕事をする傾向があり、マニュアルに沿って一つずつ操作して不具合を探すことが得意だという。

畑田さんは言う。「就労困難者を雇うのは、企業の社会的責任からではなく、それが真の成長につながるから。
社員が仕事に合わせるのではなく、仕事の内容を社員に合わせることで持続可能な取り組みになる」

https://www.asahi.com/articles/ASP5N34N0P5FUTIL01M.html