【猿でも】超有能ワイが日本学術会議に関する議論の要点を抑えて教えてやる【わかる】

【中曽根答弁】
中曽根首相は、この「推薦式」に変わった際、1983年、以下のように答弁している。

「政府が行うのは、形式的任命にすぎません。したがって、実態は各学会なり学術集団が推薦権を握ってるようなもので、政府の行為は形式的行為であるとお考えくだされば、学問の自由独立というものは、あくまで保障されるものと考えております。」

→要約すると、「総理大臣の任命はあくまで形式のもの。拒否することはない。」ということ。この答弁は何度も繰り返されている
国会での答弁というのは、政府の法解釈そのもの。

【18年文章】
しかし一方、2018年には「内閣府と法制局の合意文書」が作成されており、ここでは以下のようになっている。

「憲法第15条第1項の規定に明らかにされているところの公務員の終局的任命権が国民にあるという国民主権の原理からすれば、任命権者たる内閣総理大臣が、会員の任命について国民及び国会に対して責任を負えるものでなければならない。 内閣総理大臣に、日学法第17条による推薦のとおりに任命すべき義務があるとまでは言えない。」

→要約すると、憲法15条一項（公務員の選定、及び罷免は国民の権利である）に基づいて考えるならば、「推薦の通りに任命すべき義務がある、とまでは言えない」というもの
→菅首相の今回の判断もこの文章に基づく

【加藤官房長官の答弁】
「加藤勝信官房長官は５日の記者会見で、（中略）日本学術会議法の解釈変更はしていないとの認識を示した。」
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/371687
→法解釈の変更は行っていない、政府見解は一致しているというのが回答。しかし、それならば、中曽根答弁と18年文章の矛盾の説明がつかない。

【要点１】
「中曽根答弁」と「18年文章」は明確に矛盾する。こっちが正しければあっちが間違い、あっちが正しければこっちが間違い、という関係にある。

【要点2】
内閣は（裁判所がNoを示さない限りにおいて）解釈権を持つので、「日学法の解釈を変更した」とだけ言えば、全て筋が通るのである。しかし政府は「法解釈の変更はしていない。政府の姿勢は一貫している」と主張している。

【要点3】
拒否権を行使できるとして、それでもその発動には細心の注意が必要であるのは当然である。例の6人は、「日本学術会議の目的に照らして、明らかに適切ではないと認められたため、国民の代表者たる総理大臣の権限により拒否された」ということになるが、それが恣意的でなく、公平公正かつ妥当であると、国民に説明する義務は当然あると考えられる。

【要点4】
仮に「菅首相が見たときには既に99人で6人は既に抜け落ちていた」が事実だとすると、全部が全く別の問題になる