「成長志向はコスパが悪い」若者が“高みを目指さない”ことを正解にしてしまった日本社会の歪み
「自分が努力するなら日本が衰退したほうがいい」——。そんな若者の本音が明かされた金沢大学金間大介氏による新著『無敵化する若者たち』が話題となっている。
過保護な家庭や旧態依然とした組織が、若者の挑戦意欲を削ぎ落としている側面は否定できない。日本を覆う「横並びの安心感」の先に何があるのか。家族社会学者の第一人者である山田昌弘氏が、日本社会が抱える構造の歪みを鋭く斬る。
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/96c298a2ca80e74b59db6c06d362f92e33475c64
—『無敵化する若者たち』では、若者たちが自信のなさや将来的な不安を抱えているにもかかわらず、彼らの幸福度が高いことを紹介しています。山田先生はこの点についてどうお考えになりますか。
山田 金間先生が独自にリサーチした「若者の5年後の幸福度調査」は、非常に面白い。若者たちが現状の自分を肯定的に受け入れている、すなわち「自己評価が高い」という指摘は、そのとおりだと思います。自分でできる範囲を自ら定め、高みを目指すことはしない。でも、それも含めて自分を肯定している。
日本人には、人目を気にしすぎたり、仲間はずれにされたくないといった心理的側面があります。いわゆる横並び志向、安定志向です。金間先生が言うところの「いい子症候群」ですね。社会学者の観点から言うと、今の日本のシステムでは、そうした安定志向が一番コスパよく幸せになれるんです。若者たちは安定を求め、そこそこ幸せ。でも、若い世代の多くが安定を求めて高みを目指さないなら、日本経済全体は衰退していきます。
金間先生の調査にも、「今後の日本の将来について」の問いがありました。
「頑張るくらいなら、日本経済がこのまま衰退してもいい」と答えた若者が6割。これは非常に興味深い結果です。
頑張って日本を活性化させるよりは、別に衰退しても構わないと思っている若者が多いということですよね。
一方、私の専門は家族社会学なので、こうした若者たちの姿は、親との関係、家庭環境と切り離して考えることはできません。金間先生が指摘するように、バブル崩壊後に就職し、結婚し、子育てをしてきた今の親世代は、なるべくリスクを取らずに子どもを守ろうとしてきました。それは良い悪いではなく、親の愛情に基づくものです。
放任主義で子どもに何かあったらどうするのか。そう考えるからこそ、親が先回りして、失敗しないようリスクの芽を摘み取っていきます。もう10年ほど前になりますが、「うちの子はちゃんと授業に出ているでしょうか」と、親から大学に問い合わせが来たこともあります。また今は授業に出てこない子がいた場合、親に連絡することになっています。そういう意味では、パターナリズムが蔓延していると感じます。
―親の世代の意識を変えることは可能でしょうか。また、親が変われば、社会も変わるとお考えになりますか。
山田 変わるかもしれませんが、社会を変えるより親の意識を変えるほうが難しいかもしれません。私自身は、社会システムや制度を変えていくほうが先だと思っています。
例えば今なお根強く残る年功序列や終身雇用といった制度、そうした社会システムが人々の安定志向を許してしまっています。大学在学中に日本を飛び出して世界を放浪するより、安定志向で着実に単位を取って卒業し、着実に就職したほうが、一生安定した収入を得ることができる。日本はまだまだそうした社会システムで成り立っています。
安定を求めていたら生きていけない。そうした状況にならない限り、人々の意識は変わらないでしょう。それは社会学の基本的な立場でもあります。
—山田先生のご著書『希望格差社会、それから』では、日本には社会構造を変えたくないという一種の「慣性の法則」が働いていると述べられています。令和の今もなお、その状況は変わっていないように感じますが、いかがでしょう。
山田 そうですね。社会システムを変えようという意志そのものが、まず日本社会からは生まれません。平成だけでなく令和も、もっと言えば江戸時代や戦前もそうだったわけで、新しい状況に適応するために何かを変えるということは、日本社会にとって非常に難しい。それは日本人的な特性によるものかもしれませんし、今までの成功体験に縛られがちということなのかもしれません。
そもそも企業にしたって、横並び志向の若者のほうがマネジメントはラクなはずです。いくら「個性を発揮しろ」とか「新しいことにチャレンジしろ」と言っていても、集団から外れるような言動をする人がいたら上司は手を焼くことになるでしょう。今の若者は反抗せず、疑問も持たず、言われたことはやりますし、表面的にはやる気を見せる。そういう態度を見せてくれていれば、上司も安心する。互いに波風立たず、幸せです。
でも、彼らは言われたこと以外はやらないし、提案もしてきません。身を粉にして働くという発想もありません。「働いて、働いて……」と言った高市首相の世代からしたら、けしからんという話になるでしょうね。しかし、だからといって高市さん世代が若者にハッパをかけたところで、彼らは踊りません。「そうですね」と、表面的に同意するだけです。
繰り返しになりますが、そうした安定志向の若者たちのマネジメントは、上司としてはラクです。しかし会社全体としてはプラスになりません。だから企業も、日本という国も、幸せに衰退していくのだと思います。
—社会システムが変わらないのは、それが政治家や官僚にとって都合がいいからということなのでしょうか。
山田 都合がいいというより、そのほうが文句を言われないからだと思います。私はさまざまな公職に就く中で、政府や官僚に数多く提言をしてきましたが、政策は基本的に変わりません。今までの政策の延長線上のことしかしません、というより、できないのかもしれない。制度やシステムを変えることで文句を言われたくないという思考や行動様式が染みついているんでしょう。それは日本国民全体が安定志向だからです。
世間体を重んじ、横並びに安心する。一方で自分だけが集団から外れ、世間の矢面に立つようなことはしたくない。そうなるくらいなら、このまま日本が衰退しても構わない。こういう考えは、若者に限らないのではないでしょうか。日本国民全体がそれを選択しているという捉え方もできると思います。
もし本当に「いい子症候群」の若者の意識を変えたいなら、まずは親の安定志向を変えていかないといけません。そして親の意識を変えるには、社会システムそのものを変えていかなければなりません。
人気取りや未来への展望を示すために「日本経済の見通しは明るい」などと言ったところで、若者は、「それなら自分が頑張らなくてもいいや」と思うだけです。「見通しが明るいなら自分も頑張ろう」とはなりません。本当に変えたいなら、「このままだと日本経済は沈没するぞ!」と、政治家や官僚は声を大にして言わなければならないと思います。
> 「日本経済の見通しは明るい」などと言ったところで、若者は、「それなら自分が頑張らなくてもいいや」と思うだけです。「見通しが明るいなら自分も頑張ろう」とはなりません
この点には全く同意できるけど
> 本当に変えたいなら、「このままだと日本経済は沈没するぞ!」と、政治家や官僚は声を大にして言わなければならないと思います
沈没するぞって言ったところで沈没するならもう頑張らなくていいやって発想になると思うの
あれ以降若者には学習性無力が蔓延していくわけですから
一方、社畜は会社への依存が高まり経営者は傲慢となって行った
気持ちはわかるよ
そうなるのは当然
今の老人だろっての
役に立たない連中より若者を優遇しろなんて政策になったら
老人が真っ先に社会から排除されるわけで
緩やかな衰退を支持してるのは若者以上に能力の劣った老人層なんだよ
今問題なのは格差社会で有り
格差が解消されれば今の日本で十分に国民は豊かになる
努力し、誠心を以って勤勉に働いた者ほどバカを見る
これ
若者は衰退を望んでるんじゃなくて衰退を強いられてるだけ
若者ほど高市支持者が多いのも日本の老人天国に不満を抱えてるからに他ならない
パンピー同士で憎みあってもですけどねぇ
大学の時に学んだ著書の方やわ
努力して成果出しても虚しいだけだよ
結果が同じなら楽な道選ぶのが普通のこと
スパルタ教育とか流行って昔のほうが異常だよ
人生を楽しむコツだからな
怠惰な時の過ごし方を楽しめ
そのくらいの気負いすぎない程度でいいんだよ
いつまでも従順で都合よく働く労働者がいると思わない方がいい




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