石破茂「最近は日章旗と星条旗を掲げる”親米保守”という新しい層もいる。日米同盟は重要だが、親米と従米は別だ。」

－結党70年を迎えた自民党は多様な民意をすくえなくなり、多党化の中で議席占有率が低下。「国民政党」ではなくなったとの指摘がある。

「例えば小日本主義を唱え、ソ連との国交回復に尽力した石橋湛山氏。『戦争に行ったやつがこの国の中心にいる間は日本は大丈夫。国の中心からいなくなった時が怖いんだ』と唱えていた田中角栄氏。右から左までいろんな価値観を共有した懐の深さが自民にあった」

「一方で、結党の原点である反共（産主義）がなくなった。自民の中で代わるものが見いだしにくく、よすがになったのが保守主義だった。ただ、保守はイデオロギーではなく、感覚、たたずまいみたいなものだ」
－高市早苗政権は保守色を強く打ち出し、高支持率に支えられている。

「政権への評価は避けたい。地域や歴史、伝統文化を大切にし、違う意見を聞き入れる寛容さこそ、保守の本質だ。日章旗を振り回し、絶叫するのが保守ではない。最近は、日章旗とともに星条旗も掲げる『親米保守』という新しいカテゴリーもある。日米同盟は大事だが、親米と従米は違う。常に肩を組んで歩くのが友情とは限らない」
－その寛容さを今の自民は失っていないか。

「例えば（10月に発表した）戦後80年所感。発表前で中身も見ずに、所感を出すこと自体許さないという声が、党内や世論、一部ジャーナリズムからもあった。中身に言及せずに批判するのは言論空間としてどうか。ゆがんでいると思う」

「第2次安倍晋三政権の時も同様だった。何か言えばバッシングがあり、交流サイト（SNS）で炎上して、気分は良くないわね。だけど、誰も物を言わない不思議な言論空間になるのだけは、私は嫌だな」

https://news.yahoo.co.jp/articles/066640f86ab3a4cc66023e9b5256189301df6f7c?source=sns&dv=sp∣=other&date=20251202&ctg=dom&bt=tw_ud