【同姓同名グループ】「タナカヒロカズさん」集めて30年 ギネス記録達成、世界に広がる

30年かけて、自分と同じ名前の人たちとの輪を広げてきた。ギネス世界記録にもなった「タナカヒロカズ運動」の発起人で、「ほぼ幹事」の田中宏和さん（56）。同姓同名（同じ読みも含む）で集う運動は国境を超え、10月18日には東京・渋谷で外務省後援の国際イベントが開かれる。同じ名前のような「ゆるい縁」があれば、現代社会の孤独や分断も乗り越えられると語る。

■「同じ名前で盛り上がる」は万国共通

2022年10月、178人のタナカヒロカズさんたちは高揚していた。3～80歳で集い、「同姓同名の最大の集まり」としてギネス記録を樹立したのだ。

「偉業」は国内外で注目され、広く報じられた。把握しているだけで44カ国、28種類の言語で報じられたという。

「同じ名前で盛り上がるというのは、世界中で共通するコンテンツなんだなと感じた」

特に英BBCのニュース動画には、各国から様々な感想が集まった。「私の国ならこの名前だな」「178人なら超えられる」

あまりの過熱ぶりに「これは、抜かれるのも時間の問題だな」と思ったら、98日後にセルビアでミリツァ・ヨバノビッチさんが256人集まり、記録はあっさり抜かれてしまった。

それで終わらないのが、この人のすごいところだ。セルビアの仕掛け人と連絡を取り、ヨバノビッチさんたちと交流して国際同姓同名連盟（ISNA）という団体を設立した。

今年3月には、ハンガリーのコバーチ・バラージュさんから突然、「20人ほどで集うので、ISNAに加入したい」という連絡が届いた。

「ドメスティック（国内的）な、子どもの遊びのような運動がここまで広がるとは思わなかった」

「それならば」と10月18日に開くイベントが「国際同姓同名ギャザリングデー」だ。セルビア、ハンガリー両大使館や日本の外務省の後援も受けた。

改めてタナカヒロカズで集まり、ヨバノビッチさん超えのギネス更新をめざす。同時にタナカヒロカズ以外の国内外の同姓同名グループの参加も呼びかけ、交流があるワタナベユウコさんらも参加するという。

[朝日新聞]
2025/10/14(火) 11:30
https://news.yahoo.co.jp/articles/a27185a638c750f82166f8bc0a7ae75c3cd0056b