【怪談】帰ってきた安倍晋三

「でも……あれは生きてる“人間”じゃなかった。顔が、笑ってるのに、全然目が笑ってない。スーツも血で濡れてて……まるで“あの日”のまんまなんだよ」

政治家や官僚たちの間では、次第にこんな“噂”がささやかれるようになった。

ある元閣僚の証言：

「彼が現れた夜、不思議な現象が起こる。テレビが勝手につき、“桜を見る会”の映像が流れる。
気づくと部屋の壁に“森友”“加計”“統一”という文字が浮かび上がってるんだ。
そして、最後に必ず、耳元でこう囁かれるんだ……
『こんな人たちに負けるわけにはいかない』って……」

「アベです……アベです……キミ、まだ取材してるの？キミねぇ、非常にしつこい。もう、やめたほうがいいよ。やめないと……」

数日後、記者は自宅で遺体となって発見された。
死因は不明。だが、口元には血の滲んだ”アベノマスク”が押し込まれていたという。

国会議事堂の地下――
誰もいないはずの薄暗い廊下に、また“あの影”が現れるという。

黒いスーツをまとった人影が、静かに、ゆっくりと歩いていく。
足音はかすかに響き、ひと気のない夜の建物に不気味なリズムを刻む。

その気配に気づいた者は、決まってこう口にする。

「微かに、声が聞こえるんだ……
まるで繰り返すように、何度も、何度も……
『私はカムバックいたしました』って――」