アメリカ政府から買収を阻止されると報道のあったUSスチールの株価が暴落

　この買収計画については、米国にとって安全保障上の懸念がないか、対米外国投資委員会（CFIUS）が審査をしている。
CFIUSにおいて問題があると判断されれば、米大統領の権限で買収を阻止することができる。

　英紙フィナンシャル・タイムズによると、CFIUSは日本製鉄に「克服できない国家安全保障上の懸念がある」と伝えたという。
米ホワイトハウスは、毎日新聞の取材に「CFIUSはまだ大統領に勧告を出していない。
それがこの手続きにおける次のステップだ」と答えた。

　USスチールは米製造業を代表する名門企業。
海外企業による買収計画には、民主党の重要な支持基盤である全米鉄鋼労働組合（USW）が反対している。

　11月に大統領選を控え、民主党候補のハリス副大統領は2日の演説で、USスチールについて「米国内で所有、運営されるべきだ」と述べ、買収に反対する考えを示した。
共和党候補のトランプ前大統領も、再選すれば買収を阻止すると明言している。

　2023年12月に発表された買収計画は、粗鋼生産量で世界4位の日本製鉄が世界27位のUSスチールの全株式を141億ドル（約2兆円）で取得し、完全子会社化する内容。
実現すれば同盟関係にある日米の大手鉄鋼連合で世界3位の規模に躍り出て、経済安全保障の強化に資するとの見方も出ていた。

実際はめちゃくちゃだったな…。