アメリカ人「日傘とかダサいよな」誰も使ってない

豊かな女性がステータスシンボルとしてこぞって使っていた「日傘」は、なぜ米国で使われなくなったのか？（クーリエ・ジャポン） – Yahoo!ニュース
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かつてのステータスシンボル
用途を日除けに限ると、傘は昔から男性より女性に多く利用されてきた。19世紀の西洋では白い肌が美しさの証とされ、屋外で働く必要のない豊かな層であることを示すものだったからだ。現代のアジアでも白い肌は重視される。

一方、そうして傘が女性的な繊細さを連想させ、ジェンダー化された結果、男性にとっての魅力は失われた。軍隊では将校や兵士たちは傘の使用を許されなくなった。

一方、1960年代以降、アジアでは日差しから身を守るための低価格のアクセサリーとして、傘が女性たちに一般的に使われるようになった。2008年のある調査によれば、北京の女性の65％が日焼けを防ぐために日傘を利用していた。一方、男性による日傘利用はわずか14％だった。

では、なぜ米国の女性たちは日傘を使うのをやめたのだろうか？

ひとつには、自動車の普及によって外を歩く機会が減ったことがある。さらに1920年代以降、西洋の多くの文化では日焼けした肌が美しさの証とされるようになった。ファッションスタイルが変化し、「モダン」な女性はパラソルを手放すべきだという風潮が出てきたのだ。

一方、それでもアジアの女性たちは白い肌を守るために日傘を使い続けてきた。

しかし、近年、皮膚ガンへの懸念が高まっていることから、西洋の国々でも再び日傘が使われるようになるかもしれない。米国では皮膚ガンの罹患率が上昇している。年間500万件の症例が確認され、なかでも悪性が高いメラノーマによって9000人が死亡しているほどだ。そんななかで、公衆衛生の専門家は、日焼けを防ぐことの重要性を強調するようになっている。

それにもかかわらず、日傘はいまだに注目されていない。米国皮膚科学会が日傘の使用を推奨している対象でさえ、乳児と、庭師と園芸を趣味とする人、トラクター運転手のみだ。

だが、日傘のほうが日焼け止めを塗るよりも効果的かつ安価で、手間もかからない。2012年のエモリー大学医学部による調査によれば、日傘は紫外線への直接曝露を77～99％減少させる。ただし、これには地面からの照り返しなど、間接的な紫外線への曝露は含まれない。そのため、日傘の使用を推奨する人たちも、服装や日焼け止めなど、他の手段と合わせて使うことを提唱している。

しかし、日傘の普及には明らかに大きな障壁がある。米国の女性たちは、そもそも日傘の存在を知らないか、それがおしゃれだとは思っていないのだ。言うまでもなく、男性にはほとんど好まれない。

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