【東京・八王子】裸に近い姿で歩かせたり、患者の顔に熱いお茶を…滝山病院事件で新たな虐待明らかに　第三者委が会見

※2023年12月18日 21時23分
東京新聞

　東京都八王子市の精神科病院「滝山病院」での看護師らによる患者虐待事件で、調査を続けていた第三者委員会が18日、報告書を公表した。患者を殴るなどして看護師や准看護師らの罰金刑が確定した、計5件の暴行事件のほかにも、患者をほぼ裸の状態にさせたり他から見える状態でおむつ交換をしたりなどさまざまな不適切行為が横行していた。病院の構造的問題や行政指導の不備などが背景だとして改善を促した。

◆非常勤職員の多い夜勤帯に集中

　報告書によると、複数の病棟では、シャワーを利用する患者に裸に近い状態で廊下を歩かせたり立たせたりしていた。おむつ交換も他の患者から見える状態で行っており「性的虐待に当たる」と指摘した。准看護師が患者に、廊下を往復で数十回歩くよう指示したケースもあったという。

　このほか、看護師が患者の額に心電図の吸盤を付けたり首を絞めたりする行為も確認された。

　患者の顔に熱いお茶をかけたり、「デブ」「豚」などの暴言を浴びせたという情報もヒアリングなどで寄せられた。一連の行為は、特に非常勤職員の多い夜勤帯に集中していたという。

◆医療体制の怠慢と無責任に原因の一端

　背景について報告書は、職員の人権意識の欠如やそれを助長した病院特有の組織的問題があると分析。さらに、行政による監督や指導にも不備があったと指摘した。第三者委委員長の伊井和彦弁護士は会見で「医療体制の怠慢と無責任に原因の一端がある。真摯（しんし）に反省し、抜本的な改革を進めてほしい」と述べた。

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