1-9月期の訪日外国人消費額、3兆6000億円　年間目標5兆円突破見込み　観光庁

観光庁が１８日発表した２０２３年７～９月期の訪日外国人の消費額は、コロナ禍前の１９年同期比１７・７％増の１兆３９０４億円となり、初めてコロナ禍前を上回った。１～９月の累計は約３・６兆円で、政府は現在の勢いが続けば、目標とする年間５兆円を突破すると見込んでいる。

　訪日客１人あたりの旅行支出は同２９・４％増の２１万８１０円だった。平均２～３週間滞在するフランス（３５万７７７５円）や英国（３２万８４２２円）、米国（２９万１５３７円）など欧米の旅行者の支出が特に多かった。円安や国内での物価上昇も消費額を押し上げる一因となっている。

　また、日本政府観光局が同日発表した９月の訪日外国人客数（推計値）は２１８万４３００人で、４か月連続で２００万人の大台を超えた。１９年同月の９６・１％で、政府は「コロナ禍前の水準をおおむね回復した」（高橋一郎・観光庁長官）と判断している。

　訪日観光客の急速な回復は、人気観光地にオーバーツーリズム（観光公害）の問題をもたらしている。政府は１８日に開いた観光立国推進閣僚会議で、現在は都心部に限られている個人タクシーの営業区域拡大や、鉄道に「混雑運賃」を設定するなどの対策パッケージを取りまとめた。近くまとめる経済対策に反映する。

京都

読売新聞　2023/10/18 22:17
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