アメリカ英語で考えるんだ。F-16供与決定のウクライナ空軍。英語力の不足で対象パイロットが8名のみ

米国がF16供与承認するも…英語力不足のウクライナ軍、訓練できるパイロットは8人のみ

https://news.yahoo.co.jp/articles/0dc5333a839d4a1e7adfe0f46f143938dedfad60

ロシアを相手にした大反撃作戦で苦戦を免れずにいるウクライナが「ゲームチェンジャー（構図を覆す変数）」と考えている米国の第4世代F16戦闘機の投入が、勢いに乗っている。しかし、ウクライナの操縦士の英語の実力が拙いことから、実戦に登場する時期は遅くなりかねないという見方が出ている。

【写真】烏山米空軍基地を飛び立つF16戦闘機

　ロイター通信は17日（現地時間）、米国政府がデンマークとオランダの対ウクライナF16提供を承認したと報じた。操縦士らの訓練が完了し次第、デンマークとオランダからウクライナにF16戦闘機を送ることとしたのだ。

　ソ連製のミグやスホーイ戦闘機を運用してきたウクライナは、ロシアの侵攻を受けた直後から、米国に対しF16の支援を絶えず要請してきた。F16はマッハ2（音速の2倍の水準）までスピードを出すことができる超音速戦闘機で、ファルコン（Falcon。ハヤブサ）という別名を持っている。F16戦闘機の輸出規制権を持つ米国は、ロシアの反発と戦争の拡大を懸念して、当初はF16の支援をためらっていた。

　しかし今春、ウクライナ軍の戦力が消耗して戦況が不利になると、米国は「F16をロシア領に投入しない」という条件付きで欧州諸国のF16提供を妨げないこととした。米国の防衛関連企業ロッキード・マーチンが製造しているF16の生産施設はデンマーク、オランダ、ノルウェー、ベルギーにもある。

　ただし、米国の承認にもかかわらず、操縦士確保の問題が変数として突出した。ウクライナ空軍のユーリー・イーナット報道官はウクライナのテレビで「今年の秋あるいは冬にF16戦闘機でウクライナを守るのは難しくなった」と語った。

　米国の当局者らによると、ウクライナ側は、少なくとも1年かかるF16の操縦訓練を受けるだけの英語の実力ある戦闘機パイロットを8人しか確保できなかった。米空軍の飛行大隊（squadron）は少なくとも12機で構成されるが、1個飛行大隊の編成もできないのだ。

　このため、この操縦士らだけでなく他に20人の操縦士が、現在英国で英語を学んでいる。英語に習熟した後、F16の操縦訓練まで完了しようという場合、今年中の戦場投入は難しいものとみられる。ウクライナのドミトロ・クレーバ外相は「操縦士たちが訓練を終えて帰国する際、（F16）戦闘機も一緒にやって来る」とし、「直接操縦桿を握ってやって来ることはできないかもしれないが、いずれにしても同時に実現する手はず」と語った。