横浜大空襲78年　戦争の記憶 平和の誓い　祈念碑の内部公開　銘板に刻む犠牲者に祈り

太平洋戦争末期の横浜大空襲から７８年となった２９日、横浜市中区の大通り公園で市が管理する「平和祈念碑」の内部が公開され、一部の犠牲者の氏名が刻まれた銘板に手を合わせて冥福を祈る人たちの姿が見られた。同区の横浜にぎわい座では市民団体が「５・２９横浜大空襲祈念のつどい」を開き、参加者が平和への誓いを新たにした。（阿部博行）
　米軍機から大量の焼夷（しょうい）弾が投下され続けた時間帯にあたる午前十時、祈念碑を訪れた同市神奈川区の栩野（とちの）美枝さん（７０）は犠牲者の銘板に二十五歳で亡くなった伯母の名前を確認すると、じっと手を合わせた。
　七十八年前、伯母は浜松市内の病院から横浜の病院に応援に来ていて勤務中に空襲に遭った。二人の患者を避難させようとして逃げ遅れ、折り重なった遺体の中から焼け残った名札で身元が判明した。
　栩野さんの母親（９６）は九歳年上だった伯母を今も慕い、一昨年まで毎年、川崎市中原区の自宅から慰霊に来ていた。高齢となって寝言で「姉さん、姉さん」と呼ぶことがあり、栩野さんはこの日、祈念碑に鎮魂と平和への願いを込め、亡き伯母に「母を見守ってください」と祈った。
　祈念碑に近い横浜市南区白妙町の田中敏一さん（８８）は山形県に学童疎開中に自宅が空襲で焼かれた。父親は警防団員として活動中で、母親は近所に避難して無事だったが、「山形から戻ると焼け野原になっていて愕然（がくぜん）とした」と振り返る。
　田中さんは毎年五月二十九日に祈念碑に立ち寄っているが「犠牲者の遺族が高齢化したためか、年々訪れる人が少なくなったと感じる」という。「あの戦争で多くの尊い命とお金を無駄にしたことを子どもたちに伝えたい。戦争は断固許せない」と話した。
　祈念碑は「横浜戦災遺族会」が一九九二年五月二十九日に建立。内部に犠牲者約九百人の氏名を刻んだ御影石の銘板が安置されている。普段は施錠されているが、大空襲当日には犠牲者をしのんでもらうため、碑内を公開している。同遺族会は会員の高齢化のため二〇一四年に市に管理を移管し、二一年に解散した。
◆「記録する会」つどい　１４０人参加　体験者が講演「憲法の尊さを」
　横浜大空襲祈念のつどいは市民団体「横浜の空襲を記録する会」が主催し、約百四十人が参加した。空襲体験者の藤原律子さん（９１）＝横浜市瀬谷区＝と桜井常博さん（９１）＝同市西区＝らが講演し、改めて戦争の愚かさと平和の尊さを訴えた。
　藤原さんは横浜女子商業学校二年のとき、西区浅間町で空襲に遭った。晴天の空が真っ黒く覆われるほど多くのＢ２９爆撃機の編隊が近づいてくると、瞬く間に辺りの木造家屋が火の海と化した。防空壕（ごう）に避難したが、大人から「このままだと蒸し焼きになる」と言われ、外に出て逃げ惑った。
　二つ年上の顔見知りの男性と一緒に逃げていたときだ。彼の片足に焼夷弾が直撃し、膝から下が失われて地面に倒れ込んだ。だが、自分も逃げるのに精いっぱいで助けることはできなかった。「七十八年たったいまも、あのとき何かできなかったのかと思い出し、心が痛む」という。
　藤原さんは、つらい体験を家族にも長い間、話せなかったことを明かして「多くの犠牲の上に築かれた平和を守るため、平和憲法の尊さと戦争体験を次世代に伝えたい」と話した。
　桜井さんは旧制中学二年のとき、幼い弟や妹たちを連れて米軍機の焼夷弾攻撃と機銃掃射から必死に逃れた。その記憶を語り継ぐことが体験者の使命であるといい、「戦争は無残でむごい。戦争に大義はなく、一人一人がいまの幸せと平和を守る行動を起こすことが大切だ」と訴えた。
　このほか横浜大空襲から約二週間後に金沢区の軍需工場周辺が爆撃された「富岡空襲」について調査研究している小山昭一さん（７２）＝同市金沢区＝が講演し、学徒動員された少年少女らが空襲に巻き込まれた状況などを紹介した。

東京新聞　2023年5月30日 07時06分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/253278

今年からリアルタイムで戦争起きてるウクライナ人なら聞きたい
何だかよくわからん戦争体験者より迫力ある

ロシアよりアメリカの方が遙かに鬼畜な件に関して

やっちゃいけないことなんだけど
慰安婦なんかよりも極悪な犯罪なのに

火の手が上がってもう避難が間に合わないってんで
近くの高校のプールに家族で飛び込んで焼夷弾から逃れた