米デフォルトに備える保証料、ブラジルやメキシコを上回る水準に上昇

Sujata Rao-Coverley、Denitsa Tsekova
2023年5月11日 10:08 JST
向こう１年の米国債デフォルトに備えるＣＤＳ、過去最高付近
バイデン大統領と議会指導者との９日の会談、ほとんど進展せず
米政府が資金枯渇に近づく中、米国債のデフォルト（債務不履行）に備える保証料は今、一部の新興国を上回っている。

　　米国のクレジット・デフォルト・スワップ（ＣＤＳ）は、一度ならず債務不履行に陥り格付けが米国のＡＡＡより何ランクも低いギリシャやメキシコ、ブラジルの国債のＣＤＳより高い水準にある。

　　オックスフォード・エコノミクスのリードアナリスト、ジョン・カナバン氏は、「米国のＣＤＳで、ある種のギャンブルが行われている」と指摘。「米財務省がデフォルトに陥りその状態が続くという単純なことではない。その意味ではギリシャやメキシコなどの国とは異なる。これらの国では、政府がデフォルトに陥り、返済しないか、減免して返済されると懸念される」と分析した。

　　イエレン財務長官は６月１日にも財務省が連邦債務を上限未満に抑える余地がなくなる危険性があると、一般にＸデーと呼ばれる状況に陥るとの警告を繰り返している。

　　こうした難しい状況を受け、ユーロ建ての米国のＣＤＳの需要は急増している。向こう１年間のデフォルトに備えるＣＤＳのスプレッドは10日、過去最高に近い166ベーシスポイント（ｂｐ、１ｂｐ＝0.01％）を付け、債務上限を巡る2011年と13年の交渉停滞時のレベルを上回った。