銃規制を訴えた民主党議員、多数派を占める共和党から除名される

　【ニューヨーク＝杉藤貴浩】児童ら六人が殺害される銃乱射事件が発生した米南部テネシー州で、銃規制強化を議会で激しく求めた民主党の州下院議員二人が除名され、全米で議論が沸騰している。

除名は規制に後ろ向きな共和党が主導。除名採決の対象となった三人のうち、白人の一人だけが否決で留任したことも人種差別との批判を招いており、銃や人種を巡る米国の分断があらわになった。

除名され議席を失ったのはジョーンズ、ピアソン両議員。

二人は除名を免れたジョンソン議員とともに乱射事件後の先月三十日、議場での発言を許されないまま、銃規制の強化を求め演説。

拡声器なども使い、傍聴中だった規制推進派とともに「行動なくして平和なし」などと連呼し、審議を中断させた。

これに対し、多数派の共和党は三人を強く非難。

米メディアによると、セクストン同州下院議長は「暴動を扇動しようとした」と述べ、トランプ前大統領支持者が連邦議会を襲撃した事件になぞらえた。

同州下院は六日、「三人が議会に混乱と不名誉をもたらした」として除名を求める決議案を採決。

三人は「これは民主主義の茶番劇だ」「銃の脅威に悩む若者のために立ち上がっている」などと訴えた…

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