自民は過去最高…でも15％　統一地方選・東京都内の女性立候補予定者　共産と立民は4割超え

今春の統一地方選で争点に浮上する少子化や多様性ある社会に向けた対策に力を入れるため、東京都内では、各党が女性立候補予定者を増やしている。主要6政党でみると、区市町村議員候補の女性比率の平均が33.6％で、2党が4割を超えた。最多の候補者を立てる自民は15％にとどまるが、「過去最高」という。法が求める候補者数の男女均等には道半ばだが、少しずつ前進している。（沢田千秋、三宅千智、鈴鹿雄大）

　自民党、公明党、共産党、立憲民主党、日本維新の会、都民ファーストの会の主要6政党は10日時点で、計1205人の公認候補を発表。うち女性は339人となっている。
　女性比率の最高は共産の42％で、都委員会によると、過去最高。女性候補者数82人も6党で最多だ。担当者は「2030年までに政策・意思決定の構成を男女半々にする目標がある。地方議会は生活に密着した課題が多く、当事者である女性の政治参加が重要と考える」と話す。
　立民は41％で、女性60人を擁立した。立民都連幹事長の手塚仁雄衆院議員は「旧民主党時代までさかのぼっても、過去最高の比率」と明言。前回の統一選では、議員選の女性候補47人全員が当選した実績がある。手塚氏は「女性擁立と簡単に言うが、子育て真っ最中やパートナーに反対されたりと、男性候補の決断よりエネルギーが必要と感じる。そんな勇気ある女性議員が増えれば世の中も変わる」と期待する。
　小池百合子知事が特別顧問を務める都ファの候補は6党で最少の58人だが、女性比率は38％に上る。党代表の森村隆行都議は「候補者はさらに増える予定」とした上で「少子化対策に力を入れているので、妊娠、出産の当事者である女性の存在はリアルな政策立案につながる。これまで少子化政策が弱かった背景に女性議員の少なさがあったと思う」と打ち明ける。

　本格的な東京進出を目指す維新は都内の候補者69人中35％を女性が占める。東京維新の会幹事長の音喜多駿参院議員は「統一選では、選挙活動時間の確保のため、ベビーシッターや一時保育の利用料の一部を党が負担する制度があり、女性候補が積極的に活用している。人材発掘の一助になっている」と説明する。
　公明の女性比率は31％。都本部によると、過去も3割を維持してきたという。担当者は「出産一時金の増額、児童手当の拡充、不妊治療の保険適用など、地域の声を女性議員が聞いて実現したものが多数ある。女性議員の活躍が党をリードしている」と自負する。
　最多の486人を擁立する自民の女性候補者は73人で6党で3番目に多いが、女性比率は15％と低い。それでも、自民都連の担当者は「過去最高」と明かし、「女性に限らず、そもそも地方議会の候補者が減る中、多様な意見を求めるため、男性も女性もまんべんなく議会にいるべきだ。そうすれば、性別にかかわらず、経験や実績に基づき、政策立案について活発な意見交換ができる」と述べた。

東京新聞　2023年2月16日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/231361

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