ポーカー世界大会で日本人優勝者続出　なぜ日本人が強いのか

「開催中のWSOPで今年も日本人のブレスレット獲得者が出ています」

こう話すのはカジノ専門雑誌「カジノジャパン」の担当編集者。WSOPとは、カジノの本場・米ラスベガスで開催されるワールド・シリーズ・オブ・ポーカーの略で、5月末から約2カ月にわたって熱戦が繰り広げられている。

大会期間中、参加料500ドル（約6万8000円）から25万ドル（約3400万円）まで大小90ほどのトーナメントが開かれ、それぞれ優勝者にブレスレットが手渡される。
参加者はまず「イン・ザ・マネー（入賞）」、続いて「ファイナルテーブル（決勝）」、最終的には「ブレスレット（優勝）」の獲得を目指す。参加料1万ドルのメインイベントともなれば、優勝賞金は10億円を超える金額になる。

過去のWSOPでは、2012年に東大理学部卒のポーカープレーヤー木原直哉氏（40）が日本人として初めて優勝し、賞金51万ドル（約4000万円=当時）を獲得。その木原氏は今年も5万ドル参加のトーナメントで3位に入り、賞金63万9257ドル（約8700万円）を手にしている。

そんな木原氏に続けとばかり、今年も日本人が1万ドル参加のトーナメントで優勝し、賞金約3770万円を獲得したばかりだ。

■アマチュアでも勝てる可能性がある

やはりポーカーは日本人に向いているのか？

「ポーカーは〈確率〉のゲームであり、プロプレーヤーは相手がどれくらいブラフ（ハッタリ）を使うかまで観察と計算で見積もり、勝率期待値を考えてプレーを積み重ねます。そういう意味で計算の得意な日本人には向いているゲームといえるでしょう。とはいえ、チェスや将棋のような〈完全情報ゲーム〉とは違ってポーカーは運の要素がありますので、アマチュアであっても勝てる可能性がある。そこが逆に魅力のひとつでもあります」（前出の担当編集者）

木原氏も10年前の優勝時に日刊ゲンダイに「リターンに見合わないリスクは避ける」と答えているが、プロでなくとも10億円をゲットできる可能性があるのだ。とはいえ、ポーカーはバカラやルーレットのように運の要素が強いゲームと違って、将棋の定跡のようなものをしっかり勉強すれば、ある程度勝率を計算できる。

そして日本でのポーカー人気の裾野を広げているのが、都内だけで約70店舗ある風営法で認められたアミューズメントポーカー店の存在だ。

「特に若い人たちの間で人気が高まっており、また『じぇいそる』『世界のヨコサワ』といった日本人ユーチューバーの番組もポーカー普及の後押しとなっています」（前出の担当編集者）

日本人はポーカーと聞くと違法賭博の悪い印象を持ってしまうが、それはある意味、致し方ないところ。
もっとも、2030年前後には国内にもカジノがオープンする。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1305310de5c67344d341f4a0328774a61bbb696b