岸惠子「ギャラをウクライナの難民に寄付したい」８月「私の最後の舞台になる」トークショー

女優岸惠子（89）が18日、都内で「岸惠子　スペシャルトークショー『いまを生きる』」の発表会見に出席した。岸は、8月12日に横浜・神奈川県立音楽堂、同30日に東京・新宿文化センター大ホールで開く同イベントへ向け「私の最後の舞台になると思う」と意気込みなどを語った。

1967年（昭42）に渡仏。00年（平12）に帰国するまでパリに住んだ岸は「私が映画界で活躍してた時と世の中がガラリと変わってしまった。コロナが流行り、（ロシア大統領）プーチンさんが野望を実現しようとしている。私が、世界で見たこと聞いたことを（トークショーで）話したい。日本というのは特殊な国だと思う。世界状況が分かっていて、分析も出来る。ただ、海に囲まれていて鎖国状態にあって、外に出ない。そのことを話していきたい」と話した。

ロシアによるウクライナ侵攻については「ウクライナ人は、すごく強いと思う。あそこまでメチャクチャにされながら、あそこまで戦える」と評価。コメディアン経験のあるゼレンスキー大統領についても「最初は小バカにしていた人もいるけど、素晴らしいじゃないですか。私はソ連人も知っています。スラブ民族の素朴さと良さがある。それが、何も分からずに戦いに借り出されて、死んで行くのはすごく悲しいことだと思う。ウクライナ人もソ連人も好き。それがああいう状態になっている。その中で、日本はどうなるんだろう。日本はアメリカの核の傘下に入ってのんびりしていいのだろうかと思っています。（このトークショーは）私の最後の舞台になると思うので、私のギャラをウクライナの難民に寄付したいと思います」と語った。

コロナ禍で、この日のイベントへの外出は今年2月9日に撮影の仕事に出掛けて以来。「時代が変わってしまった。私なんて『この人誰？』みたいな感じになってしまった。2月9日以降は、1歩も出ていなかった。さっき横浜から東京に出て、表参道を歩いていてうれしかった。にぎわいは必要です」。トークショーの前の8月11日には90歳の誕生日を迎える。「私は82歳の時に運転免許を返還した。人間の能力は衰えるんです。右手がまひして字が書けないし、脳も全然、ダメになりました。（健康法は）何もしない。寝たいだけ寝て、お昼頃まで寝ています。午前3時くらいまで起きていて、ものを書いたりしている。字を書けなくなったので、パソコンで書いてます」と話した。

今後については2冊の本を書きたいという。「生きていられたらなんですが、もうみなさんが忘れた小津安二郎さんとのことや、この間亡くなった石原慎太郎さんにまつわるエピソードを。6、7人から10人くらいですかね。もうひとつは小説を書きたい。この2冊を書いたら、さっさと死にたい」と笑った。

◆岸惠子（きし・けいこ）1932年（昭7）8月11日、横浜生まれ。1951年（昭26）年に松竹専属となり映画「我が家は楽し」で女優デビュー。53～54年「君の名は」3部作、54年「女の園」が大ヒット。55年「亡命記」で東南アジア映画祭最優秀主演女優賞。57年フランスの映画監督イヴ・シャンピと結婚して渡仏。60年映画「おとうと」でブルーリボン主演女優賞。61年映画「黒い十人の女」。72年映画「約束」。75年離婚。83年映画「細雪」、エッセー「巴里の空はあかね雲」で文芸大賞エッセー賞。00年日本に帰国。01年映画「かあちゃん」で日刊スポーツ映画大賞、日本アカデミー賞主演女優賞。04年旭日小綬章。11年フランス政府から芸術文化勲章コマンドール授与。21年「岸惠子自伝　卵を割らなければ、オムレツは食べられない」。

2022年5月18日 17時26分 日刊スポーツ
https://news.livedoor.com/article/detail/22183452/

あ、え、わ。すみません。ご存命だったのですね。あらま。失礼しました。

90でこの色気てすごい