【国際】ベラルーシ反体制派ハッカー集団「サイバー・パルチザン」、ベラルーシ国有鉄道システムに侵入　ロシア軍のベラルーシ入り妨害

（ブルームバーグ）： ベラルーシの反体制ハッカー集団「サイバー・パルチザン」は24日、同国内の鉄道網で使用されているコンピューターに侵入し、保存データを暗号化したことを明らかにした。ロシア軍部隊が合同軍事演習に向けベラルーシ入りするのを妨害することが目的だという。

ルカシェンコ政権打倒を目指して活動している同ハッカー集団は、国有ベラルーシ鉄道を標的とし、同社のサーバーやデータベース、ワークステーションの大半を暗号化したと表明。同集団の広報担当者は、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、ハッカーらはバックアップサーバーに保存されている大量のデータを破壊する作業を行っている途中だと説明した。

同ハッカー集団は、医療措置を必要とする政治犯50人の釈放に加え、ベラルーシ政府がロシア軍の領土侵入を阻止することを条件に、鉄道網のコンピューターを通常稼働に戻す意向を示した。

ロシアによるウクライナ侵攻の恐れが高まる中、ロシア軍は先週、合同軍事演習に向けベラルーシへの部隊派遣を開始。米シンクタンク、大西洋評議会によると、標的となった鉄道網はロシアのロケットランチャーなどの装備品をミンスクなどの都市に輸送しているという。

ベラルーシ鉄道の担当者にコメントを求めたが返答は得られなかった。在ワシントンのベラルーシ大使館の担当者からは外務省に問い合わせるよう要請されたため、外務省にコメントを求めたが、今のところ返答はない。

ベラルーシ反体制派ハッカー集団、政府要人の個人情報など機密を暴露

「サイバー・パルチザン」の広報担当者は、ハッキングの影響を見極めるには時期尚早だとしたものの、旅客列車の速度低下を招く可能性が高く、その結果としてロシア兵や軍装備品を輸送する列車の動きに影響を及ぼし得るとの見通しを示した。

1/25(火) 11:11配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/067fbcaf1995823d6515865db0fdfc3eac663a7c

　ハクティビスト（政治的意図でサイバー攻撃を仕掛けるハッカーアクティビスト）として知られるベラルーシに拠点を置くBelarusian Cyber-Partisansは1月24日（現地時間）、TelegramとTwitterで、ベラルーシ国鉄のシステムにランサムウェア攻撃を仕掛けたと発表した。要求は金銭ではなく、ベラルーシ政府による50人の政治犯の釈放と、ウクライナへの侵攻の可能性のあるロシア軍支援の停止だ。

　ベラルーシ鉄道のWebサイトによると、24日現在、発券システムなどが利用できなくなっている。

　ロシアとベラルーシは18日、ウクライナとの国境付近での軍事演習の実施を発表した。米連邦政府は、この演習がウクライナ侵攻の準備行動ではないかと警戒を強めている。

　米Washington Postによると、ロシアはベラルーシのウクライナとの国境付近に軍を配備するためにベラルーシ国鉄を使っているという。

　Belarusian Cyber-Partisansは米Ars Technicaに対し、ベラルーシ鉄道のネットワークには多くのエントリーポイントがあり、アクセスは容易だったと語った。

　本稿執筆現在、ベラルーシの公式サイトでは、この問題に関連する発表はない。

1/25(火) 9:22配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/eebbc8a564499f896a40af670a67ca9a38e82be4