池田信夫「夫婦別姓に反対してる奴バカ？日野富子北条政子も別姓だし、日本の伝統は別姓、そもそも高市が別姓じゃん」

政府の「男女共同参画基本計画」が選択的夫婦別姓を認める方向になったことで、また論争が蒸し返されている。
自民党内にも賛成の議員連盟ができ、流れは変わり始めているが、わからないのは夫婦別姓（正確には別氏）に反対する人々の論理だ。

たとえば高市早苗氏などの国会議員50人でつくる議員連盟「『絆』を紡ぐ会」

夫婦別姓は子育てや相互扶助に悪影響を及ぼす
何より子供たちへの心の影響を考えれば、慎重になるべきだ。

彼らは「夫婦同姓が日本の伝統だ」と信じて、それを守ろうとしているが、これは旧民法で初めてできた制度である。日野富子や北条政子のような夫婦別姓が日本の伝統なのだ。

東北アジアでは、夫婦別姓を堅く守ってきた。ところが日本では、明治維新後、幕末に外国と結んだ条約の不平等改正を進める際、相手は近代的諸法律の整備を要求した。
そこで刑法をはじめ諸法律を整備してゆくが、民法親族編の婚姻後の姓氏について悩んだ。大議論の末、姓でなくて氏を名乗ることにしたのである

古代日本の戸籍は中国と同じく（北条政子が源頼朝と結婚しても北条を名乗ったように）夫婦別姓だったが、それとは別に居住地の地名などを苗字として名乗るようになった。
これが「氏」で、通称だからどうつけてもよく、新しくつくってもよかった（百姓は苗字を名乗れなかった）。

ところが明治時代にそれをヨーロッパの制度に合わせたとき、民法で夫婦同氏と決めたので、結婚前の苗字を使うと戸籍上の氏と一致せず、いろいろ不便なことが起こる。選択的夫婦別氏は、それを選べるようにするだけの話

それに賛成するのが「リベラル」だという思い込みで反対するネトウヨがいるが、これは政治的信条とは無関係である。そもそも高市氏が夫婦別姓なのに、それを法的に公認する制度になぜ反対するのか、さっぱりわからない

https://agora-web.jp/archives/2050748.html