土井善晴「日本のトマトは生食用だからミートソースに使うな？それ誰が決めたん？w」

しかし、高度経済成長を背景に、女性の社会進出が叫ばれるようになり、夫婦共働きが主流となると、「スピードメニュー」「簡単メニュー」「忙しい人のために」など「時短」を意識したレシピ本が考案され、料理研究家にとってもまた「時短」を意識したメニューの開発が不可欠になる。

だが、土井はこれまで「時短」を意識して料理を作ったことはないと断言する。

もっと軽いフレッシュ感のあるひき肉の歯ごたえと旨味を生かしたスパゲティーということです。それは手抜きや時短とは意味が違う。

て、煮詰めるだけ。トマトの水分とオリーブ油、肉の油が乳化すれば良い。余裕シャクシャクで、スパゲティーがアルデンテに茹で上がれば、合わせて、ソースとスパゲティーをフライパンの中でなじませる。

私も、手をかけたミートソースを作ることもあります。ミートソースはこうして作るということを習ったからです。でも家庭料理は基本を踏まえて自由に作れば良い。

缶詰のトマトには、缶臭さというか独特の癖があります。均一だし、季節によって変化する美味しさがありません。これをつかったら、ありふれた味になる。どんな作り方をしたかすぐわかる。それってつまらないでしょ。だから、生食用の日本のトマトを使う方がいいですね。

日本のトマトは生食用で、ソースにするなら、細長いイタリアのトマトでないとダメって、誰かが言ったことを、みんなで信じているわけですね。もっと自由になってください（笑）