【バレエ】ロシア名門「ボリジョイ劇場」黒塗りフェイス写真で炎上。ボリジョイは「おかしなことは何もない。議論もしない」とどこ吹く風

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191221-00000004-courrier-int

口火を切ったのはあの有名ダンサー

歴史と品格、確かな技術で観客を楽しませてきた名門バレエ団が、その感性を疑われている。

2019年12月上旬、世界最高峰とも言われるロシアのボリショイ劇場のある写真が炎上した。
そこには、練習スタジオで褐色のタイツを履き、顔を「黒塗り」された2人の女性ダンサーが写っていた。
2人はともに10代だとされている。
ことの発端となったのは、アメリカ屈指のバレエ団アメリカン・バレエ・シアター（ABT）で
初のアフリカ系女性としてプリンシパルダンサーを務めるミスティ・コープランドである。
彼女が自身のインスタグラムで写真を共有すると、黒塗りへの批判が殺到した。
コメント欄には「絶対に間違っている」「痛々しい」「がっかりだよ」などといった文字が並ぶ。

どこ吹く風のボリショイ

これを受けてボリショイは黒塗りをやめるか、公演中止を発表するかと思われていた。
だが、まったくと言っていいほど批判を聞き入れる様子はない。同劇場のウラジーミル・ウリン総裁は、
ロシアの国際通信社RIAノーボスチに対してこう述べる。

「黒塗りは『ラ・バヤデール』の役の一部で、ダンサーたちは何年もこの衣装とメイクをしてきました。
国内外で、私たちは何千回と披露してきたのです。ボリショイ劇場は、このような議論には加わりません」
ラ・バヤデールはインドでの悲劇の恋物語を描いた作品で、ボリショイは1877年から公演を続けている。
同団プリンシパルのスヴェトラーナ・ザハーロワも黒塗りに関して、ロシア放送局「モスクワ24」のインタビューで
「おかしなことは何もありません。私たちにとっては完全に普通なことです。これは芸術ですから」と述べた。

コープランドはツイッターにこう投稿した。

「多くの卓越したバレエ団がいまだに有色人種のダンサーの採用を拒否し、黒塗りフェイスをさせているという事実が耐えがたい」

ダンサーにタバコ推奨？

炎上中のバレエ団はボリショイだけではない。今月、オーストリアにあるウィーン国立歌劇場のバレエ学校が、
若いダンサーたちに喫煙を奨めていたことも発覚した。「スリムな体型を維持するため」の指導の一環だったとされる。

同校は2019年4月、生徒たちが性暴力を受けているほか、「しつけ」と称して髪を引っ張られたり、蹴られたりするといった体罰を
日常的に受けている、と地元誌「ファルター」に報じられていた。現在、調査が進められており、同校は生徒たちによる公演数を減らしている。

長い歴史を刻んできた世界のバレエ。だが、あまりにも時代錯誤な感性に加え、傲慢さが続けば、客離れが進むことは避けられないだろう。

本来の黒人役を白人に置き換えればホワイトウォッシュだと言われるし、カリカチュア的な表現を残したまま黒人に演じさせるのも恐らくは批判の対象になるだろう

ブラックフェイス表現を改めろという主張は歴史的経緯もあるから分からなくないが、「我々好みの役にして、我々にやらせろ。さもなくばやるな」という話なら、相手が聞き入れなくてもまた仕方がない
米国社会でどう振る舞おうと彼らの責任において好きにすればいいけど、外でも通じて当然という認識は傲慢さすら感じる