【USA】バイデン大統領、今後の課題として中ロとの競争をあげた

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バイデン氏、中ロ対抗に注力　アフガン撤収を正当化

【ワシントン=中村亮】バイデン米大統領は31日の演説で「私は重要な国益や国民のためにならない戦争の継続を拒否する」と述べ、アフガニスタンからの米軍撤収を正当化した。「21世紀の競争下で生じる新たな課題に対処する」と強調し、中国やロシアとの対抗に注力する考えを表明した。

バイデン氏が演説するのは30日のアフガン戦争終結後に初めて。バイデン氏はホワイトハウスで演説し、米軍が担ったアフガンからの民間人の退避任務について「重要なことは退避を望んだ米国人の90%が退避できたということだ」と成果を強調した。出国を望む米国民100～200人がアフガンに残っていると指摘。「（退避支援に）期限を設けない」と説明した。

米国内では退避支援が後手に回り、米国人の命を危険にさらしたとの批判が根強い。バイデン氏は「私は決断の責任をとる」としつつも批判について「申し訳ないが同意できない」と反論した。「我々が直面したような複雑さや困難、脅威を伴わずに終戦後の退避を行うことはできない」と主張した。

アフガン戦争をめぐる過去20年間の外交政策の誤りから2つのことを学ぶべきだとした。一つは「任務の設定は明確かつ達成可能な目標を目指すべきだ。達成できないものにすべきでない」と指摘。2つ目は「米国の根本的な安全保障上の利益に焦点を絞ることだ」とした。

今後の課題として中ロとの競争をあげた。「中国と深刻な競争下にある」と語り、ロシアとサイバーや核をめぐり対立が続いていると強調した。「米国がアフガンでさらに10年間にわたって泥沼にはまることほど中ロが望むものはない」と述べた。

2021年9月1日 5:40 (2021年9月1日 5:59更新)
日経新聞