東京、酸素飽和度75%で自宅療養する猛者現る

「もはや災害時」入院できず中等症の自宅療養が急増

東京都が11日に確認した新型コロナウイルスの新たな感染者は4200人でした。2人の死亡が確認され、このうち1人は30代の男性でした。

男性は、先月28日に軽症と診断され、自宅療養中でした。今月6日、連絡が取れないため、家族が自宅を訪れたところ、亡くなっていたといいます。基礎疾患はありませんでした
小池知事：「この方も健康観察を続けていたが、体調が急変したと。容体が急変するということで、“若いから”ではなくて、“何も病気はないよ”ではなくて、ぜひとも基本的なことをお守りいただくように徹底してお願いしたい」

自宅療養中の40代の男性。血中の酸素飽和度を計ってみると、表示された値は75％。本来、96％を下回ると入院の対象です。医師は、男性にこう告げました。

医師：「非常に重篤な状態だと思うから、今すぐに酸素の機械を取り寄せたり、薬を持って来る。今、都内で酸素の機械が枯渇しかけているから、月曜日の夜なので、チンタラしてたらなくなってしまうかもしれないから急いで対応する。保健所にも緊急性が高いと一報入れておく」

ひなた在宅クリニック山王・田代和馬院長：「ご自宅で“高度な医療処置”を要する中等症以上の方が急増している。当院では、1週間前の先週の火曜日に中等症IIに該当する患者はまだ1名しかおらず、月曜日には30名を超え、50人に迫るような数になってきている。今、コロナに罹患して重症化したら、適切な医療にかかれないかもしれない。本当に助けられないかもしれない。過酷な現実が待ち受けているので、自分の命は自分で守るような、正しい冷静な選択をしていただきたい」

厚生労働省のアドバイザリーボードは、強い言葉で危機感をあらわにしました。
厚労省アドバイザリーボード・脇田座長：「公衆衛生体制、医療提供体制が非常に首都圏を中心に厳しくなっていて。もはや災害時の状況に近い局面を迎えている。そういった強い意見が構成員から複数あった」

危機感の背景にあるのは、重症者の急増です。東京都では一日で21人増えて197人と過去最多を更新。わずか1週間で1．7倍に増えています。全国の重症者は10日時点で1332人。第3波や第4波より、増加のペースが速く、過去最多の1413人に迫る勢いです。

東京都全体で重症病床の78％が埋まっている状況です。昭和大学病院では、都の要請を受け、今まで8床だった病床を16床に増やしました。今後、最大22床まで増やす予定です。ただ、そのしわ寄せが一般の医療に出ています。

昭和大学病院・相良院長：「我々のところで断らなければいけない状況になってきているので、断らないで重症患者を受け入れる体制を作るためには、（一般医療に）ある程度、制限をかけなければ、受け入れることはできない。心筋梗塞の患者が来ないようにしている。現時点ではそこを閉めておかないと（コロナ患者を）受け入れる体制ができない状況になってきている」
https://news.yahoo.co.jp/articles/7441e8fb760ca88377cd716c5456992fb100c58a

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