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Zeebra「日本にヒップホップ根付いてきた」

「日本でもヒップホップがようやく文化、芸術として根付いてきた」。日本語ラップを今の形に押し上げ、ヒップホップ史に影響を与えてきたラッパーのZeebra（ジブラ）は話す。

　1970年代、米国・ニューヨークで誕生したラップ。日本では80年代、いとうせいこうや吉幾三、近田春夫らが取り入れ始める。90年代にスチャダラパーが小沢健二と共作で「今夜はブギー・バック」、EAST　END×YURIが「DA・YO・NE」を発売し、ヒット。キングギドラ、RHYMESTERらが活躍し、ブレークした。2000年代には「楽園ベイベー」などがヒットしたリップスライムが日本武道館公演を果たすなど、商業的に成功するラッパーも出現した。

　現在は、即興の言葉をぶつけ合い韻を踏む巧みさなどラップの技術を競う「MCバトル」を中心に熱を帯びている。若手ラッパーがユーチューブを通じて台頭するなど「村社会っぽさがなくなり、健康的になった」とZeebraは話す。

　中でもCreepy　Nutsは爆発的な人気を誇る。2人は、約3年前からラジオ番組「オールナイトニッポン0（ZERO）」のパーソナリティーを務め、軽妙なトークで新たなファン層も獲得し、テレビ出演も増えている。Zeebraは、MCバトルブームに火をつけた番組「フリースタイルダンジョン」の「ラスボス」を務めたR―指定について「フリースタイルのキング」と評価。そして、DJ松永も世界一の実力者で「折り紙つきの実力の持ち主の2人が、面白いこともできたら、お茶の間にも受け入れられる」と語る。

　Zeebra自身は昨年7月から、ラッパーと芸人やアイドルがタッグを組んでMCバトルに挑戦する番組「フリースタイルティーチャー」（テレビ朝日、毎週火曜深夜1時26分）でもMCを務めている。ヒップホップの歴史や文化の側面を伝えることを大切にしているという。

　また、ヒップホップには知識を元に考え、運動へつなげる精神があると話す。例えば、黒人への差別反対を呼びかける「ブラック・ライブズ・マター（BLM）」運動もその一つとみる。デモでは、参加者がヒップホップの曲をかけて歌ったり踊ったりした。「自分で考えて、動くことは日常生活でもできる。そんなヒップホップの見方を伝えていけたら」

おしまい