森喜朗「オリンピック組織委員会長の後任は安倍にしたかったけど、逃げられた」

「安倍氏に後任打診」五輪組織委会長交代　森喜朗氏、本紙に舞台裏明かす

　東京五輪の聖火リレーのスタートにあたり、東京五輪・パラリンピック組織委員会の前会長の森喜朗氏（８３）が、本紙の取材に、安倍晋三前首相（６６）に後任の会長を打診していたことを明かした。安倍氏は今秋までに行われる次期衆院選に向けた政治活動を理由に固辞したという。　（田嶋豊）
　「ある程度の道筋をつけた後、安倍さんに代わってもらえばとの思いがあった」。それは当時、首相だった安倍氏にも伝えていた。
　森氏は二〇一四年一月に組織委会長に就任。一五年三月にがんが発覚してからも、国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）をはじめ、政財界や諸外国との交渉、調整役を務めていた。
　「安倍さんの任期が延び、私もオプジーボ（がん免疫治療薬）で命を助けてもらい、タイミングが合わなかった」。森氏はそう振り返る。
　今年二月、女性を巡る不適切な発言で引責辞任する際、安倍氏に相談した。「これまでにも『私の後任に』と言っておいたから、儀礼的にも話をしたんです」
　その後、安倍氏の秘書から「お断りしたい」との伝言を受け取った。森氏によると、安倍氏は次期衆院選に向け、派閥の若手議員を支えることに身を尽くしたいとのことだった。
https://www.chunichi.co.jp/article/225014