【慰安婦問題】 ハーバード大教授の論文、迷夢覚ます警鐘に～強制動員や性奴隷の条件に該当する慰安婦被害者はいない

米国ハーバード大ロースクールのマーク・ラムザイヤ教授が日本軍慰安婦は慰安所の主人と契約関係にある「売春婦(prostitute)」であり日本軍の「性奴隷」ではないとの趣旨の研究論文を発表するとすぐ各種メディアが大騒ぎしている。名前だけでも権威が認められるハーバード大学ロースクール教授の研究成果をめぐり該当分野の専門家でもない記者たちがファクトチェックまでする始末だ。

メディアが問題にしている点は日本軍が慰安婦募集と慰安所設置および運営に「関与」する事実がすでに数多くの資料で証明されただけでなく、1990年代以降、日本政府が日帝の強制性を認めたのにラムザイヤ教授が「慰安婦=売春婦」とか「日本軍性奴隷」でないとする主張は「妄言」というものだ。

ここに日本で幼児期を送り日本政府から旭日章まで受けたという本質と関係ない過去の履歴を取り上げて日本に友好的論文を書いたというニュアンスを漂わせる。しかし、メディアの同教授に対する批判や攻撃は慰安婦の実体に対する無知から出発した強弁に過ぎない。

まず日本軍の「関与」がすなわち強制性を意味するという部分だ。国内外メディアだけでなく、有数の研究者さえ日本軍が慰安所運営に「関与」したという多数の証拠が日本の強制性を証明すると主張してきた。しかし、日本軍は「関与」でなく「慰安所制度」を公式に運営したというのが正確な表現だ。

日本軍が占領地女性に対する拉致・強姦・殺害のような戦争犯罪と性病による戦闘力損失を防止し、軍の士気を高めるために「慰安所制度」を運営したのは周知の事実だ。日本軍が公式に運営した制度であるから慰安婦は公娼であり慰安所は公認された売春空間だ。

1996年、ラディカ・クマラスワミ国連人権委報告書にも「慰安所という制度設立の公式的な名分は売春行為を制度化し、それを通じて売春行為を統制することによって、陸軍の占領地域で報告される強姦報告の数値を減らすことができるだろう」とした。ここで言う「売春行為の制度化」がすなわち公娼であることは二言を要しない。

しかし、日本軍の「慰安所制度」運営が直ちに日本軍が慰安婦を募集したり慰安所を直接運営して慰安婦への売春強制を意味するわけではない。慰安婦募集や慰安所営業など売春業は信頼できる民間業者に任せて日本軍はこれを管理・監督する役割を担当した。これは国内で総督府警察が妓生券番（キーセンの組合）、遊郭、料理店など売春関連業者と芸娼妓・酌婦など売春婦を管理・監督したのと同じ脈絡だ。当時、軍慰安所や国内売春業者は全て許可を受けて税金を出し公開的に営業した公娼制下の売春業だったからだ。

メディアでは1938年3月4日付日本陸軍省副官通告である「軍慰安所従業婦等募集に関する件」や、1938年1月19日付「上海派遣軍内陸軍慰安所酌婦募集に関する件」、1940年日本軍が慰安婦被害者を連れていく時に渡した一種の通行証明書などを提示してこれが日本の「関与」を証明するものであり強制動員の証拠だ、と主張する。

とんでもない話しだ。該当文書は全て慰安婦募集過程で発生する違法行為に気を付けるよう警告したり、慰安婦募集過程で軍が便宜を提供した証拠にすぎず、強制動員の証拠にはならない。
(中略：>>2-5のあたり）

朝鮮女性が「日本軍慰安婦被害者」に規定されるためには「日帝によって強制動員された」という条件を充足しなければならない。同時に、日本軍慰安所で慰安婦として働き、日本軍によって性的に奴隷扱いされたという証拠を提示しなければならない。しかし、女性家族部に登録された240人の慰安婦被害者のうち、ただのひとりもこの条件に該当する人はいない。

募集過程では売春業者が手段と方法を選ばず女性をかき集め、慰安所で日本軍は所定の料金を支払ってそのお金ぶんだけ慰安婦を利用しただけだ。それでは、どうして日本軍の強制動員で日本軍の性奴隷か？ラムザイヤ教授の主張はこれまで慰安婦の真実を歪曲し、国民や世界を欺いた慰安婦活動家、政治家、学者の迷夢を覚ます警鐘になるものと確信する。

キム・ビョンホン（おそらく金柄憲・国史教科書硏究所長）

ソース：メディアウォッチ（韓国語）[キム・ビョンホン コラム]ハーバード大教授の論文、慰安婦に対する迷夢（心の迷い）を起こす警鐘になること
https://www.mediawatch.kr/news/article.html?no=255352