旧ソ連で離反相次ぐ ロシアは影響力低下（毎日）

旧ソ連諸国で相次ぐ混乱や離反　「宗主国」ロシアはなぜ消極姿勢なのか

　旧ソ連諸国では今年、アゼルバイジャンとアルメニアの係争地ナゴルノカラバフで紛争が再燃したほか、ベラルーシで政権への抗議活動が続くなど、政治的混乱が相次いでいる。2021年12月にソ連崩壊から30年になるが、背景に旧ソ連圏で宗主国の役割を果たしてきたロシアの影響力低下があるとも指摘されている。

　ナゴルノカラバフ紛争の停戦から1カ月がたった今月10日、アゼルバイジャンの首都バクーで開かれた戦勝パレード。アリエフ大統領は、共に壇上に上がった友好国トルコのエルドアン大統領に対し、「我々は紛争の当初からトルコの支持を感じていた」と感謝の言葉を繰り返した。

　9月27日に始まった戦闘では、トルコから無人機などの供与を受けたアゼルバイジャンが、アルメニア人勢力が作る「ナゴルノカラバフ共和国」から支配地域の多くを奪還。双方合わせて少なくとも5600人以上が死亡した紛争で事実上の勝利を手にした。トルコは近年、ウクライナにも無人機売却などの軍事援助を強めており、旧ソ連圏で軍事的存在感を高めている。

　一方、敗北を喫したアルメニアでは、パシニャン首相の退陣を求める野党勢力が抗議活動を激化させており、政治的混乱が続く。アルメニアはロシア主導の「集団安全保障条約機構」（CSTO）に加盟していたが、ロシアはナゴルノカラバフが国際法上、アゼルバイジャン領であることを理由に軍事介入を行わなかった。最終的にはプーチン大統領の仲介で完全停戦にこぎ着けたものの、アゼルバイジャンとの友好関係も考慮し、最後まで中立姿勢を崩さなかった。

目立つロシアの消極姿勢
　ロシアの消極的な姿勢は他の旧ソ連諸国に対しても目立つ。…（以下有料版で、残り789文字）

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毎日新聞　2020年12月14日 16時00分(最終更新 12月14日 16時00分)
https://mainichi.jp/articles/20201213/k00/00m/030/070000c