発達障害24歳男性と｢会話｣が成立しないワケ　｢抽象的な指示｣をされても理解できない

現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。

待ち合わせ場所は、都内の駅改札。すぐに、真っ黒なサングラスをかけた男性を見つけることができた。「フミヒコさんですか？」。
そう声をかけると、ニコリともせずに、こう返された。「メールで連絡したとおりの格好ですけど」。

てっきり「はい、そうです」と言われると思っていたので、一瞬、空足を踏んだような気分になる。
普段であれば、「何か失礼があっただろうか」と考えてしまうところだ。しかし、フミヒコさんは発達障害のひとつ、自閉症スペクトラム障害があると聞いていた。

自閉症スペクトラム障害には、コミュニケーションが苦手、趣味や関心が限定的といった特徴があるとされる。
今日は、話をする中で感じた“不協和音”を、率直に伝えてみようと、こう言ってみた。

「『誰々さんですか？』というのはあいさつのようなものなんです。
『メールで伝えましたけど』と返されると、『何か悪いことでも言ったかな』と感じる人もいます」

これに対し、フミヒコさんは重ねて「事実を言っただけですが」と言う。そして、なぜ自分が暖色系の服を着ないのかの説明を始めた。
質問の意図が伝わっていない、と思った。

取材を進める中、フミヒコさんの話は、たびたび本題から外れ、脈絡なく広がっていった。

家賃について尋ねたのに、賃貸アパート大手のレオパレス21が冷房を3時間で自動停止する設定にしていた問題や、NHKによる受信料の徴収方法が不満だという話に“発展”していた。
また、最近始めたという派遣の仕事について聞いていたのに、なぜか、「今、戦争になったら、自分のような人間は使えるかどうか」について語っている。

心療内科を受診したところ、自閉症スペクトラム障害と診断されたという。

「個性だと思っていたものが、個性を通り越して病気だったんだと思っただけ」。特段、落ち込むことも、障害がわかってホッとすることもなかった、とフミヒコさん。

突然、彼が「においが……」と言って立ち上がった。そう言われ、私も初めて煙草のにおいが漂ってきていることに気が付いた。見渡してみると、すぐ横にある窓ガラス越しのテラスが喫煙スペースになっていた

ふり返ってみると、店に入ったときは昼時で、店内はほぼ満席だった。もしかしてと思い、“音”は気になりましたか？と聞いてみた。
案の定、「皿を洗う音とか、赤ん坊の泣き声とか、黙らせたいと思ってた」という。フミヒコさんは最後まで、大きなサングラスを外すこともなかった。

https://toyokeizai.net/articles/-/258559

殴り続けて逆らえぬように躾けろ！

発達障害と関わった後の人「こんなゴミと関わらなきゃいけない周りが可哀想」

匂いや音くらいスルーできないなら日常生活送れんだろ

その発言して、結果どうなるの？自分が損するだけでしょ？って気付くまで頭の中でシミュレーションを繰り返さないといけない