【三浦半島】三浦義明の墓、復旧支えて　横須賀の満昌寺、ネットで費用募る

平安時代後期から三浦半島を治めた三浦一族の棟梁（とうりょう）で、源頼朝（１１４７～９９年）の挙兵に呼応した三浦義明（１０９２～１１８０年）の墓周辺が昨年９月の台風１５号で被害を受け、復旧工事を行った満昌寺（横須賀市大矢部）がインターネットで費用を募るクラウドファンディングをしている。　（村松権主麿）
　市などによると、三浦義明は同寺近くにあった衣笠城の城主で、頼朝が一一八〇年に伊豆で挙兵すると、一族とともに出陣。しかし石橋山の戦いで頼朝が敗れた後、平氏軍に城を攻められ討ち死にした。鎌倉幕府を開いた頼朝は九四年、義明を供養するために満昌寺を建てた。
　墓は寺の裏山にあり、「伝三浦義明廟（びょう）所」として市重要文化財（史跡）に指定されている。台風１５号で背後の木が倒れ、三方を囲む土塀の一部が損壊。崩れた土砂が土塀に押し寄せた。
　今年四～六月の復旧工事では、土塀の修復のほか、傾いた木々を伐採し、斜面に崩落防止の対策をした。総工費約千九百万円のうち二割弱が市の補助金で賄われ、約千五百万円を寺が負担した。
　檀家（だんか）でつくる寺役員会で相談した結果、八百万円を目標にクラウドファンディングサイト「Ａ−ｐｏｒｔ」で資金を募ることになった。九月三十日まで募集し、これまでに約百四十五万円が寄せられたが、目標の１８％にとどまる。
　永井宗寛（そうかん）住職（６１）は「八百年の歴史のある市の文化財を後世に残すため、万全を期して地質調査もした結果、斜面対策の規模が大きくなり、費用が膨らんだ。多くの方にご協力いただけたら」と話している。

2020年08月25日 06時56分
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