Microsoft Teams、競争法違反か　Officeソフトとチャットの強固な連携、市場を独占と指摘

Slack、Microsoftは「競争法違反」　欧州委に申し立て

【シリコンバレー=佐藤浩実】
ビジネスチャット大手の米スラック・テクノロジーズは22日、欧州当局に対して米マイクロソフトが競争法に違反していると苦情を申し立てたと発表した。
「ワード」や「エクセル」など市場シェアの高い業務ソフトとチャットアプリを結びつけ、公正な競争を妨げているという。欧州当局は今後、同社の訴えを精査する。

スラックがやり玉に挙げたのはマイクロソフトの「Teams（チームズ）」だ。チームズはチャットや音声通話が可能で、スラックのサービスと競合する。
サービスを始めた時期はスラックが2014年なのに対し、チームズは17年だ。

22日の声明で、スラックの担当者はチームズを「弱い模倣品」と説明。「（ワードなど）『オフィス』のソフトと違法に結びつけ、強制的に（顧客に）導入させ、
削除を妨げてきた」と指摘した。欧州連合（EU）の欧州委員会に対して「調査と法執行を求める」と言う。

複数の米メディアによれば、欧州委は申し立ての書類を受け取った。これから内容を確認し、スラックが訴えるマイクロソフトの「競争法違反」について
正式な調査に入るかどうかを決める。米IT（情報技術）大手の寡占に対する問題意識が強いことから、スラックは欧州での申し立てを選んだもようだ。

マイクロソフトは1990年代から2000年代初頭にかけて競争法の訴訟に追われたが、近年はほかのIT大手と比べて独占や寡占に関する指摘を免れてきた。
今後の欧州委の動き次第では、再び経営の足かせとなる可能性がある。

スラックの申し立ては、新型コロナウイルスの影響で働き方が変化するなかで起きた。
在宅勤務の広がりでスラックもマイクロソフトもサービスの利用者を増やしたが、業務ソフトと連携しやすいチームズの伸びのほうが目立っていた。
スラックは以前は「競争に興奮している」と広告を出してマイクロソフトを挑発していたが、状況は様変わりした。

発表を受けて、22日の米市場でスラックの株価は前日比5%以上下げている。マイクロソフトの株価はほぼ横ばいで推移している。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61884340T20C20A7000000/

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